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その他

2022/2/17

【第5回】 在宅生活を強く望むUさん ~帰宅願望~

どうにかこうにか誤魔化しつつ、施設まで来ることができました。 お迎えのときに同席してくれたケアマネKさんから、「なんか無料でご飯が出てゆっくり過ごせる場所があるみたい。気になるからUさんちょっと様子見てきてよ!そこにお薬の相談をしたい人もいるみたいだし。」と言われたこともUさんの背中を押したようでした。 そして、日中の時間はいろいろなお話をしながら穏やかに過ごすことができました。他利用者とトラブルになってしまうことをKさんは懸念していましたが、初めての場所にUさんもやや構えていたのか、そのようなことはあり ...

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2022/2/17

【第4回】 在宅生活を強く望むUさん ~初回の利用~

面接を無事に終え、私は施設職員へ丁寧に情報提供をしました。特に、日常的に関わる介護職員へはUさんの性格傾向や気質、関わり方のポイントなどを重点的に伝えました。   帰宅願望というものは、認知症のお年寄りにはよくあるものです。誰でも自分の家が一番落ち着く居心地の良い場所なのです。認知症のない方はショートステイに宿泊することを理解して来ているので帰宅願望が出る方は少ないですが、認知症のある方はそもそも何故自分がこんな場所で夜を明かさなければならないのかが理解できないのです。そのため、帰りたいという気 ...

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2022/2/17

【第3回】在宅生活を強く望むUさん ~面接にて~

「初めまして、私鈴木と申します。本日は貴重なお時間をいただいて申し訳ありません。」そうご挨拶をすると、Uさんはゆっくりこちらを向いてにこりと笑いました。部屋の臭いとはアンバランスに、身なりもきちんとしており上品な女性という印象でした。    「あなたも若いのに大変ですね。このへんのお宅を順番に周っているわけでしょう?お年寄り多いですからねぇ。私はまだお年寄りなんて呼ばれる年齢じゃないからお話できることなんてないと思うけど…どんなことを聞きにいらしたんですか?」とUさんは返してくれました。 &nb ...

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2022/2/17

【第2回】 在宅生活を強く望むUさん ~息子さんの精神安定のためにもショートステイを~

Kさんの話を聞き、正直受け入れるのは難しいと思いました。どこの施設でもあまり変わらないと思いますが、夜間帯は限られた人数の職員しか配置していません。全く眠らずに外に出て行ってしまうかもしれない利用者が1人いれば、その方に付きっきりにならざるを得ません。そうなれば、他の利用者へ目が行き届かなくなり、事故が起きる可能性が高まります。   しかし、Uさんと息子さんのことを考えればKさんの言うように少し距離をとってあげた方が良いとも思いました。息子さんは精神的に不安定な日が続いており、最近ではUさんに暴 ...

試験対策

2022/2/6

【オススメ度★★★】社会福祉のあゆみ 社会福祉思想の軌跡

この参考書の特徴 イギリス、国内の社会福祉の歴史をまとめた一冊です。なぜ制度が出来上がったのか歴史を追いつつ解説しているため、スッキリ頭に入ります。 ここがイイネ 社会福祉士の試験では〇〇年~~法が制定された。その内容は△△であったといった問題が出題されることがあります。   制度をまとめた年表などを作る方がいらっしゃると思いますが、それはとても覚えにくいと思います。 なぜなら、歴史と関連付けていないからであり、単品で1874年は恤救規則、1929年は救護法だなと覚えようとすると効率が悪いです。 ...

試験対策

2022/2/6

【試験対策】旧生活保護法(きゅうせいかつほごほう)

「社会福祉士」に関するオススメ本 社会福祉士に興味がある方に読んでもらいたい1冊です。本HPで連載していた事例を紹介しています。施設相談員がメインの事例となっており、介護福祉士と何が違うのか、どんなことをするのかよくわかると思います。小説風に書かれているので読みやすいかと思います。 ・【実務未経験者必見】社会福祉士の仕事ってこんな感じなんです。総集編(1~3巻分) ・【実務未経験者必見】社会福祉士の仕事ってこんな感じなんです。総集編(4~6巻分) 1946年 旧生活保護法 この制度のポイント ・近代的な社 ...

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2022/2/17

【第1回】 在宅生活を強く望むUさん ~困難ケース~

Uさんと初めて出会ったのは、私がショートステイの相談員として勤めている頃でした。ある日、以前からお付き合いのあったケアマネKさんから連絡が入ったのです。Kさんはやり手のケアマネで、その腕を買われてか困難ケースを数多く抱えている方でした。そして、Uさんもそんな困難ケースのうちの1人でした。  「ちょっと相談があるんだけど、ショート利用させてあげたい人がいるのよね。でも難しい人でさ…」と、Kさんは切り出し、Uさんについて詳しく教えてくれました。  77歳、女性。中等度~やや重度の認知症あり。現在自宅にて息子N ...

試験対策

2022/2/6

【試験対策】救護法(きゅうごほう)

「社会福祉士」に関するオススメ本 社会福祉士に興味がある方に読んでもらいたい1冊です。本HPで連載していた事例を紹介しています。施設相談員がメインの事例となっており、介護福祉士と何が違うのか、どんなことをするのかよくわかると思います。小説風に書かれているので読みやすいかと思います。 ・【実務未経験者必見】社会福祉士の仕事ってこんな感じなんです。総集編(1~3巻分) ・【実務未経験者必見】社会福祉士の仕事ってこんな感じなんです。総集編(4~6巻分) 1929年 救護法 この制度のポイント ・救護法は、恤救規 ...

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2018/6/27

【第6回】 特養の非常勤介護職員Nさん ~変わらぬ日々~

業務内容を変更して一か月ほど経った頃、Nさんは清掃にもすっかり慣れて元々のユニット内だけでなく施設全体の清掃を行うことができるまでになっていました。相変わらず前日に清掃したばかりのところを再び掃除していたり、用具を片付ける場所がわからなくなったりしていましたが、周りもフォローすることにすっかり慣れていたのでNさんが困ることはないようでした。   最初に相談してくれたYさんも、そんなNさんを見て安心したようでした。「ありがとうございました。私、相談した頃すごく心配で…。Nさんは利用者さんのことすご ...

その他

2018/6/27

【第5回】 特養の非常勤介護職員Nさん ~「変化」させないこと~

そして、Nさんご本人には施設長から伝えられました。認知症については触れず、年齢的なことも考えると介護業務ではなく今後は清掃をお願いしたいとお話したようです。Nさんはいつもの様子で、「私にできることならなんでもやりますよ。」と快諾してくれたということでした。もしかすると、自身の変化に戸惑いながらご自分でも今後仕事を続けられるか不安だったのかもしれないなと感じました。   認知症には「変化」が悪影響を及ぼします。私がNさんを退職させたくなかったのは、それも大きな理由の一つでした。週4日施設で仕事をし ...