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COSの友愛訪問から始まった、ソーシャルワークの歴史を確認しよう

「社会福祉士」に関するオススメ本

社会福祉士に興味がある方に読んでもらいたい1冊です。本HPで連載していた事例を紹介しています。施設相談員がメインの事例となっており、介護福祉士と何が違うのか、どんなことをするのかよくわかると思います。小説風に書かれているので読みやすいかと思います。


【実務未経験者必見】社会福祉士の仕事ってこんな感じなんです。総集編(1~3巻分)

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ケースワークの歴史の始まりは、1870年代、イギリスのCOS(慈善組織協会)に所属する友愛訪問員が、要救護者を訪問し、生活相談と共に救済活動を行ったことにある。1860年代にロンドンでは相当数の慈善組織があったが相互の情報交換や協力体制を高めるため、イギリス全土に広がった。ソーシャルワークの源流はCOSの活動に由来しており、慈善的救済活動に不可欠の要素として個別の訪問活動を行っていた。

 

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この先駆的な活動が、アメリカで導入されるようになり、多くの実践活動が展開された。1889年より、このCOS運動に従事していたM.リッチモンドは、1917年に、クライエントの持つ問題を収集した基礎資料を科学的に分析し、これに客観的な解釈を加えて人格をできるだけ正確に捉える方法を指した「社会診断」を、更に1922年には、ソーシャル・ケースワークは人間とその社会的環境との間を個別に、意識的に調整することを通して、人格を発展させる諸過程からなっていると定義した「ソーシャル・ケースワークとは何か」を著し、ケースワークを体系化した。ケースワークは「人間と社会環境との間を個別に意識的に調整することを通してパーソナリティを発達させる諸過程から成り立っている」としている。

 

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このリッチモンドによるクライエントの人格は、狭く限定された人格を意味するものではなく、クライエントをめぐる社会環境の資源、危険、影響についての洞察、更には、社会環境を通して働きかける間接的活動を考慮しており、医学モデルとしてケースワークの発展に大きな役割を果たしている。

 

また、医療の領域においてもキャノン(I.Cannon)らが、医師とソーシャルワーカーの連携を重要視し、医療現場におけるソーシャルワークが拡大していくことになる。医療ソーシャルワークが発展していくと、ソーシャルワークが細分化、専門化する時代に入った。専門職としてのまとまりを求める動きも発生し、その過程において重要な役割を持ったのがミルフォード会議である。この会議では、ケースワークをめぐる基本的な共通事項が体系化され、現在にも通ずるソーシャルワークの骨格が形成された。

 

第一次世界大戦後の1920年代には診断主義ケースワークが、また1930年代には、1929年に起こった世界恐慌による大量の貧困問題への対応を迫られる中で、機能主義ケースワークが登場した。

 

診断主義ケースワークは、S.フロイトの精神分析の流れを組み、ケースワークを「援助者が利用者に働きかける過程」とした。また機能主義ケースワークは、O.ランクの流れを組み、人間の人格における自我の創造的な総合力を認め、利用者を中心に、援助者の属する機関の機能を利用者に自由に活用させ、自我の自己展開を助けることを課題として、ケースワークを「利用者が援助者に働きかける過程」とした。

 

1940年代に入ると、第二次世界大戦により家族基盤は脆弱になり、ソーシャルワークの必要性が高まった。その中で診断主義学派と機能主義学派が対立する。診断主義学派はフロイトの精神分析理論の強い影響を受け、クライエントの抱える問題の原因をその内面に求めた。機能主義学派はクライエントの自我を尊重する考え方でクライエント自身が問題を解決する過程を助けるものである。

 

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1950年になるとケースワークにおける専門分化の行き過ぎが問題となる。このため「リッチモンドに帰れ」と再統合がすすめられ、1955年に全米ソーシャルワーカー協会が設立した。

 

理論的にも診断派と機能派の統合が図られ、心理的主義・精神医学に偏って、社会環境の条件を見落としたケースワークの理論に対する反省がなされた。パールマン(H. Perlman)は診断主義に立脚しつつ機能主義の考え方を取り入れ、両者の折衷を図り、「問題解決アプローチ」を体系化した。

 

ここでは、「利用者(人)」(person)は社会生活を営む上で、援助を必要とする「問題」(problem)を持ち、援助者が所属する機関や施設としての「場所」(place)と、両者の間に専門的な援助関係を形成しながら目標の達成に向かうための援助の「過程」(process)という四つの構成要素が相互作用することによってケースワークは成立しているとした。これを、ケースワークにおける「四つのP」と呼ぶ。

 

1950年代には、診断主義と機能主義との統合が試みられ、心理的主義・精神医学に偏って、社会環境の条件を見落としたケースワークの理論に対する反省がなされた。パールマンは、診断主義の立場に立ちつつも、機能主義の理論を積極的に取り入れた「問題解決アプローチ」を体系化した。ここでは、「利用者(人)」(person)は社会生活を営む上で、援助を必要とする「問題」(problem)を持ち、援助者が所属する機関や施設としての「場所」(place)と、両者の間に専門的な援助関係を形成しながら目標の達成に向かうための援助の「過程」(process)という四つの構成要素が相互作用することによってケースワークは成立しているとした。これを、ケースワークにおける「四つのP」と呼ぶ。

 

ケースワークの批判期と呼ばれた1970年代を経て、再編期の1980年代には、ケースワークの機能強化やグループワーク、コミュニティワーク等の方法論や技能との統合がなされた。近年では、高齢化問題を含め急激な社会変動に伴ってケースワークの援助概念も大きく変化を見せるようになり、ケースワークの新しい機能として、様々な社会資源を連携させ結びつけるネットワーク機能や、例えば、判断能力が不十分となった高齢者、寝たきりの高齢者、また身体障害や知的障害、強い増加傾向をみせる精神障害のある人等で自己の利益や権利を自分の力だけでは主張・決定できない人の「声」を代弁し、彼らの権利を擁護するアドボカシー機能が重視されるようになってきた。

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