通信課程

社会福祉士の実習に行くなら知っておきたい、事前学習の進め方!

社会福祉士の現場実習を行うにあたり、事前に学習しておくことが必要になってきます。その場で直面した課題をこなすのではなく、事前学習しておくことによって、理解が深まります。また、事前学習では不十分だと感じた事柄について、課題を選出し実習に取り組むことができます。今回は、事前学習の進め方とその内容について解説します。

社会福祉士通信課程に通われている方対象の企画を進めています。興味のある企画についてご回答ください。

ステップ1 実習事業所のある地域や自治体の特性について調べる

実習事業所がどのような地域のなかに存在し、その自治体について事前に調べ概要を把握する必要があります。

例えば、特別養護老人ホーム(以下特養とする)に行く場合、地域に根ざした施設であるために、地域貢献が重要視されていますし、なぜその地域で特養が設置されるのか知っておかなければならなりません。

詳しくは以下の内容について調べておきましょう。

●人口や高齢化率
●世帯数
●歴史や文化
●自然環境や気候・風土
●名産や名物
●周辺の介護施設の数の情報など

などがあります。

ステップ2 実習事業所について学ぶ

どのような事業所に自分が行くのか理解せずに実習に行くと、折角現場で指導を受けても理解度が低くなってしまいます。事前にどのような事業所なのか必ず確認しておきましょう。

詳しくは以下の内容について調べておきましょう。

●立地環境(山間部?海に面している?街の中?など)
●事業内容や併設する事業
●利用者の数や男女比
●職員(スタッフ)の数や職種
●事業計画書や事業報告書(HPなどから閲覧できる場合があります)
●根拠なる制度

などがあります。事前訪問やオリエンテーションなどで直接尋ねても構いませんが、最近は情報開示が重要視されているため、インターネットからも簡単に情報を得ることができます。

ステップ3 実習事業所設置の根拠となる制度について学ぶ

実習事業所がどのような制度に基づいて設置されているのか理解しておくのは、基本的なことです。

例えば…

●介護保険法
●障害者総合支援法
●児童福祉法
●生活保護法
●老人福祉法

また、利用者に関するものとして以下の制度もありますので確認しておきましょう。

●各種手帳制度
●年金等の社会保障制度
●苦情解決制度
●成年後見制度
●日常生活自立支援事業
●各種虐待防止法

ステップ4 記録方法について学習する

日々の記録の内容は、養成校によって若干の違いがありますが、多くは『今日の目標』『スケジュール』『振り返り』などがあります。

記録は実際に現場にでて仕事を開始した時、非常に重要な存在となってきます。実習の段階で正しい記録になるように事前に学習しておく必要があります。普段、文章を書く機会が少ない人は特に留意して下さい。

『今日の目標』について

日々の実習の前日に設定し記入しておきます。目標の設定の仕方として、座学で分からなかったことや、実践してみたい事柄について記入します。

例えば目標設定の例として…

●利用者A様がどのような生活保護制度を利用しているか理解する
●入所時の契約に参加させて頂き、職員がどのように説明しているか理解する
●施設での虐待に対する具体的取り組みを観察し理解する
●利用者や家族の苦情について、生活相談員がどのように対応しているか観察し理解する

など、実習でしか学べないようなことを目標設定にすると良いでしょう。

『スケジュール』について

事前に実習担当職員と相談し、当日の実習でどのようなことを行うか確認しておき、スケジュールとしてまとめておきます。

スケジュールを把握することによって、一日に行われる業務の内容が理解できますし、目標の設定もしやすくなります。

『振り返り』について

一番、メインになる部分であり、記入が難しいと感じるところでもあります。

記入する内容ですが、例えば…

●目標設定に対してどのように取り組んだのか?
●どのような部分に注目して実習を行ったのか?
●実習担当職員が実際に行う姿を見て何に気が付いたのか?
●面接等について利用者の反応はどうだったか?

などがあります。

留意点として、自分が行ったことを羅列して書くのではなく、必ず『観察・考察』した点を記入するようにします。部分的にテキストを参考にして書くことも大切ですが、一日を振り返って何を学んだのかを自分の言葉で表現するようにします。

ステップ5 社会福祉士会倫理綱領について目を通しておく

社会福祉士会倫理綱領とは、『倫理綱領とは、1995年に採択されて以来、社会福祉士の専門職としての価値観であり、行動指針として大切にしているものです。そして、行動規範とは、倫理綱領を行動レベルに具体化したもので、社会福祉士が倫理綱領に基づいて実践するための行動を示したものです。』

現在は変化に応じた内容に改定し、一番新しい倫理綱領は2020年6月に、行動規範は2021年3月に採択されています。

※日本社会福祉士会HPより参考【https://www.jacsw.or.jp/citizens/rinrikoryo/

テキストの巻末付録などに記載さていると思うので確認しておきましょう。

実習とはいえ、倫理綱領を念頭に置いて取り組む必要があるのは勿論、実習担当職員がどのようにして倫理綱領に沿って支援をしているか考察すると、より理解が深まります。

おわりに

今回は事前学習の進め方について解説しましたが、他にもあります。例えば、高齢者施設で実習をするのであれば、高齢者の特性やコミュケーション方法を理解しておく必要があります。事前学習をしておくことによって、実習がより充実したものになるでしょう。分かりにくいことなどは養成校の先生に確認し、準備万全で実習に挑みましょう。

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