今回の一件は、ボランティアを派遣する側として、「ボランティアさんのやる気を維持させる」ことについて考えさせられました。仕事ではないボランティア活動、これはご本人の意志によってのみ成立するものです。だからこそ、せっかく他人のために何かしたい、と思ったその方の気持ちや想いを無駄にしてはいけないのです。
今回は総合事業というレールに乗った活動だったため、本来の活動先となる場所がすぐにはないという状況でした。しかし、そのような場合でも受講してくださった方々の意志を尊重する場をなんらかの形で提供しなければならないと思います。そうでなければせっかくの思いを無駄にしてしまうことにもなりかねないし、時間が経てば経つほどモチベーションが下がってしまいます。
Fさんのように、こちらが提供したサロンという場にすんなり馴染める方もいれば、そうでない場合もあると思います。そのときには、また他にその人がその人らしく活動できる場を探すこともこちらの責務でしょう。
Fさんのケースは、途中でご本人の認知状態に変化が出たため、当初こちらが思い描いていたものとは異なる状況になりました。しかし、地域包括支援センターの助けもあり、現在も継続して支援することができています。今後、総合事業の担い手として活動していただくことは、実際には難しいことです。しかし、ご本人の気持ちを大事にしながらこのままサロンのお手伝いをしていただきたいと考えています。その中でFさんがFさんらしく生きていくことの支援をしていけたらと思います。
「地域」で支えることの意味も、とても考えさせられました。しかし、その考えを私たち社会福祉協議会の職員だけでなく地域包括支援センターの職員も共通して持っていたからこそ、今回のような切れ目のない支援ができたと思っています。また、サロンに参加している利用者の方々も温かく接してくださっているからこそ、トラブルなどもなく活動を継続することができています。
今後も「地域の力」を信じ、またそれをさらに大きく育てていきたいと思います。