試験対策

【社会福祉士】キーワード別過去問対策「感染症」

過去5年分(第29回~第33回)の問題において「感染症」のキーワードが含まれる問題は1問出題されています。感染症の種類、感染経路、感染予防に関する内容が問われています。

「感染症」に関する問題対策

ポイントはここ!

  • 感染症の原因と症状、対策を理解する

感染症に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。(第29回、人体の構造と機能及び疾病)

  • 疥癬の他者への感染を予防するために、患者の使用した食器の消毒を行う。
    • 疥癬(かいせん)の原因となる疥癬虫(ヒゼンダニ)は動物であるため、食器の消毒による死滅は期待できません。熱に弱く50℃の温度が10分経過すると死滅します。よって、一般的に疥癬患者が使用した食器は、特に区別することなく、一般用と同様に通常の洗浄と乾燥、または熱湯で処理することで予防ができます。疥癬の感染経路は接触による感染は、皮膚と皮膚との直接接触と衣類や寝具などの間接接触があります。
    • 「疥癬(かいせん)」ヒゼンダニがヒトの皮膚に寄生することで生じる、激しいかゆみを伴う感染症です。
  • 結核は、空気中に浮遊する病原菌を吸入することで感染する。
    • 〇正しい選択肢です。結核は結核菌の浮遊する空気を吸い込むことによって感染します。結核は、集団感染の危険性が高いため、特に園児や学童といった若年者が集団生活する場所、医療・介護施設など高齢者が集団生活している場所では注意が必要です。感染予防対策には標準予防策(スタンダードプリコーション)に加え、患者の個室隔離や気圧を低くした陰圧室での管理、医療従事者は0.3μmの微粒子を95%以上捕集できるN95マスクの着用などの対策を行います。結核は全ての医師が、全ての患者の発生について届出を行う感染症のうち、二類感染症に該当します。
  • ヒト免疫不全ウィルス(HIV)は、水や食べ物を通して感染する。
    • ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染経路には、性行為(異性・同性間)による性的感染、血液や血液製剤による血液感染、母子感染の3つとされています。飲食物、飛沫、日常接触による感染の報告例はありません。HIV感染初期ではインフルエンザ様症状が認められ、免疫力が徐々に低下し日和見感染症を発症します。感染予防対策の例には、性的感染ではコンドームの使用、血液感染では注射時や医療廃棄物処理時の針刺し防止策、母子感染では母親の抗HIV薬治療や帝王切開、人工栄養による哺育などが挙げられます。
    • 「日和見感染症(ひよりみかんせんしょう)」健康な状態では感染しないような弱い病原性の微生物による感染症のこと
  • デング熱は、マダニを介して感染する。
    • デング熱は蚊が媒介する感染症です。流行の地域は熱帯・亜熱帯地域にかけて広く分布が見られます。発症は2~14日(通常3~7日)ほど、症状には発熱と関節痛、発疹などがみられます。感染予防では、蚊に刺されないことが第一の対策で、肌の露出を避け、虫よけスプレーの使用などの事前準備が重要となります。
    • 「デング熱」蚊が媒介する感染症です。発熱、頭痛、筋肉痛や皮膚の発疹などが主な症状です。
  • C型肝炎ウイルスの感染予防には、ワクチンが実用化されている。
    • C型肝炎ウイルスに対するワクチンは、現在、開発中で実用化はされていません。C型肝炎ウイルスでは遺伝子が容易に変異するため、免疫機構を利用したワクチン生成が困難とされています。感染経路としては、主に輸血や針刺しなどの血液による接触感染であるため、医療行為や介護の場面などでは感染予防策として標準予防策(スタンダードプリコーション)を講じることが重要です。
    • 「標準予防策(スタンダードプリコーション)」感染症の有無に関わらず、あらゆる患者に対して普遍的に適用される予防策のことです。

-試験対策
-, ,