実習指導者がソーシャルワーク実習のプログラムを組む際、毎週1回程度は組み込んでいるスーパービジョン。名称自体はよく聞くけれど、実際にどんなことが行われているのか分からないという実習生も多いかと思います。
そこで今回は、ソーシャルワーク実習で行われるスーパービジョンの内容や実施する意味について、詳しく解説します。
実習スーパービジョンの内容
ソーシャルワーク実習では、毎週1回を目安に1~2時間程度の実習指導者(実習スーパーバイザー)によるスーパービジョンの時間を設けるようにしています。
もちろん実習生から相談を受けたときや、問題が生じたときにも随時行うこともありますが、基本的には実習の進行に合わせて節目ごとに行うことになります。
節目ごとに行われるスーパービジョンでは、主にプログラムの実施状況や理解度(伝達度)の確認を行い、実習生自身の評価が低い部分や理解度が低い部分について再度説明をして理解を促したり、再度プログラムの中に組み込んだりすることを目的としています。
例えば、職員の業務の一部を体験させるプログラムを組んだ場合、実習体験と知識を結びつけるために段階を踏まえた指導を行いながらスーパービジョンを行うことになります。
具体的には、業務内容と実習生への期待を述べる⇒やる気にさせる⇒業務マニュアルなどの文書を読ませたりポイントを確認したりして体験の準備をさせる⇒観るべき点を説明しながらやってみせる⇒実習生に体験させる⇒スーパービジョンへとつなげていきます。
体験をさせて終わりにするのではなく、スーパービジョンでこれまでに学んだ知識や技術と体験を結びつけることによって多面的に理解を促し、実習から学ぶべきことを確認していきます。そして残された課題の確認を行うことによって、社会福祉の専門職として教育的視点から実習生の学びの過程を支える機能をもたせているのです。
また、あまり知られてはいませんが、実習指導者が実習生に対してかける言葉や指示、励ましなどは全てスーパービジョンを意識した援助となっています。
日常的に行われる援助なのでつい聞き流してしまうこともあるかもしれませんが、実習指導者からの声掛けは全て意図された声掛けになるので、自身の学びへとつなげるためにも注意して聞き漏らさないようにすると良いでしょう。
実習スーパービジョンを実施する意味とは
スーパービジョンを実施する意味として、次の3つが挙げられます。
実習教育水準の確保
スーパービジョンは、すべての実習生に対して定期的に行わなければなりません。
これは、実習指導者がスーパービジョンをすることによって責任をもって実習生の成長を見守り、その成長を保障するためです。ソーシャルワーク実習を引き受けた機関・施設として実習教育水準の維持を保障するためにも、スーパービジョンを実施しています。
実習生の自己覚知
ソーシャルワーク実習での体験をスーパービジョンによって一つ一つ振り返ることによって、専門職である社会福祉士の役割を考えることができ、実習生の自己覚知を促すことができます。
実習生のモチベーションの維持・向上
適切なスーパービジョンは、長期間の実習において実習生の燃えつき(バーンアウト)症候群を防ぐことも可能です。また、スーパービジョンを実施することにより実習生と実習指導者の関係性を潤滑にし、実習に対するモチベーションの維持や向上へとつながります。
おわりに
スーパービジョンを有意義な時間にするためにも、スーパービジョンの知識を事前に勉強しておくことが大切です。もし知識不足であると判断された場合は、スーパービジョン契約を結ぶ前に養成校へと返される可能性もあるので、事前にしっかりと学習をしておきましょう。
また、必要に応じて実習生自らスーパービジョンを申し出ることも可能です。有意義な実習にするためにも、スーパービジョンをぜひ有効活用してみてください。
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