社会福祉士実習が始まると、座学では学ぶことが出来ない貴重な体験をすることになります。そんな中、疑問に思うことがあったとしても「こんなことを聞いても良いのだろうか?」と不安に感じ、実習指導者や現場の職員に聞くことができない実習生もいるかと思います。
そこで今回は、実習指導者側の視点から見た質問してもらいたいこと、自分で考えてほしいことについてお伝えします。
質問してもらいたいことは?
①面接技法やケアプラン等で意図が分からなかったところについて
社会福祉士実習は実習指導者によって作成されたプログラムに沿って実施されます。実習開始直後は実習先の歴史や事業の概要等の理解が中心となりますが、実習が進むにつれて、実際に利用者と深く関わっていくことになります。
その際、現場における社会福祉士の面接技法を目の当たりにしたり、実際のケアプランを目にする機会もあるかと思います。実はそのようなプログラムを組む場合、実習指導者としては実習生に対して着目してもらいたい点があるので、あえて見せているケースがあります。
例えば面談の場合、利用者に対してどのような言葉がけをしていたか、身体的な距離感や座る位置はどうであったか、目線や仕草はどうしていたかなど、座学では学ぶことができない内容を学んでほしいと思っています。その点に関して、「どうして面談ではこのような技法を使ったのか」等の質問が実習生からされるとより学習を深めることができるので、疑問点に感じた点に関しては積極的に質問をしても良いでしょう。
またケアプラン等に関しても、「自分(実習生)では必要性が感じられないサービスが組み込まれているが、その意図は何か」「どうして目標をこれに設定したのか」など、作成者の意図を読み取ることができなかった点については、自分の意見を交えつつ質問をしてもらえると、そこから学びへと発展させることができるので、ぜひ質問をしてみてください。
②自分で考えた上で分からなかったことについて
実習指導者側としては、実施したプログラムについて実習生がどの程度理解をしているのか知るために、質問の有無や実習日誌の考察を目安にしています。そのため、分からなかったところはそのままにするのではなく、積極的に質問をしてもらいたいと思っています。
ただし、質問をする際は必ず自分の中でしっかりと考えた上で質問をしてください。自分の考えがないまま質問だけしても、実習の意味が全くありません。自分の意見を述べずに質問した場合、多くが「あなたはどう思った?」と逆に質問されることとなります。
疑問に感じた点は、自身の成長へと繋がるカギとなります。まずはじっくりと自分の頭で考えてみましょう。そこで自分なりの答えが出た後に、「自分はこう思ったけれど・・・」と一言付け加えて質問をすることにより、さらに深い学びを得ることができるでしょう。
自分で考えてほしいこととは?
実習生の中には、自分で調べたり、考えることなく気軽に質問をしてしまうという人も実際います。社会福祉士実習を体験してみると分かるかと思いますが、福祉の現場は最少人数で回していることも多く、あまり余裕はありません。そんな多忙の中、座学で学ぶような基礎知識について質問をしてしまうと、注意を受けることがあるかもしれません。疑問に感じた点はすぐに実習指導者や現場の職員に質問するのではなく、まずは自分の頭で考えてみる癖をつけましょう。
実習時間中に答えを出すことができなければ、帰宅後調べてみたり、自分なりの答えを導き出し、その日の実習日誌に書いてみることをおすすめします。「○○について疑問に感じたが、○○ではないだろうか」等、考察につなげてみるのも良いでしょう。せっかく社会福祉士実習という貴重な体験ができるのですから、自分の中の考えや学びを積極的に記録へと残しておくと、実習指導者としても理解度を図る目安となるので、的確な指導も受けやすくなるかと思います。
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おわりに
初めての現場で緊張するかと思いますが、質問することは決して悪いことではありません。疑問に感じたことはまずはしっかりと自分の中で考えた上で、意見を述べつつ積極的に質問をしてみてください。
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