実習先が決まったら、次にすることは実習計画書の作成です。実習計画書には実習の目標や意義、実習の具体的達成課題など、実習全体を通して何を学びたいのかを書かなくてはいけません。そのため、ここでつまずく実習生も多いかと思います。
そこで今回は、実習担当者から見た実習の目標の立て方について、詳しくお伝えしたいと思います。
実習指導者は目標の何をみているのか?
実習指導者は、実習計画書を受け取るとまずは実習の目標をチェックします。どうして一番初めにチェックするのかというと、それは『実習生がこの実習で何を求めていて、どこをゴールとするのか』が分かるからです。実習生には知らされていませんが、実は実習計画書をもとに、実習指導者は事前訪問の時点で実習生に対してアセスメントを行っています。事前学習の完成度、本人のしぐさや言動等をもとに、実習生が設定した目標が本人の力量に合っているのかを判断しているのです。もし目標に対して本人の力量が足りていないと判断した場合は、目標を立て直すこともあります。
目指すゴールはどこなのか、それは今の自分が到達できることなのかを考えつつ、自分のやりたいこと、目指すものを盛り込んで考えられると良いですね。
どこで実習をするのかによってゴールは異なる
実習のゴール(目標)は、どこで実習を行うのかによっても変わってきます。一口にソーシャルワークを学ぶといっても、地域の相談援助機関と入所・通所型の施設では、ソーシャルワークの視点やソーシャルワーク表出の仕方が違います。目標を考えるときには、実習先の特性を踏まえつつ、そこでしかできない体験を組み込みながら考えていきましょう。
フィールド(地域機関型)・ソーシャルワークとは
実習場所:市町村社会福祉協議会、地域包括支援センター、福祉事務所、児童相談所、病院、障害者就業・生活支援センター等
地域や在宅に潜在化しているニーズの発見から援助が始まります。援助計画立案から資源の調整、個別援助の展開、フォーマル・インフォーマル資源の開発、当事者の組織化、ソーシャルアクション等へと派生拡大していくのが特徴です。
実習先がこちらのタイプの場合は、『個人アセスメント』『地域アセスメント』『他機関との連携』を意識しながら目標を立てていきましょう。例えば実習先として多く選ばれている社会福祉協議会での実習では、個人から地域・資源(ミクロ-マクロ視点)、地域・資源から個人(マクロ-ミクロ視点)を取り入れても良いでしょう。実習を通して、社会福祉士として何ができるのかを考えていくのも良いと思います。
レジデンシャル(施設型)・ソーシャルワークとは
実習場所:特別養護老人ホーム、老人デイサービスセンター、障害者入所・通所施設、児童養護施設、更生保護施設等
入所相談や入所利用契約から援助が始まります。利用者の権利保障、苦情解決、自己選択権の拡大、QOLの向上、地域住民・ボランティア・家族との交流がソーシャルワークの中心となることが特徴ですが、退所・卒園支援などによりフィールド・ソーシャルワークにまたがる部分もあります。実習先がこちらのタイプの場合は、『施設でのソーシャルワーク』『他職種との連携』『利用者の理解』を意識しながら目標を立てると良いでしょう。施設でのソーシャルワークは、意識して実習に取り組まなければ感じづらいかと思います。施設で働く社会福祉士として、どうあるべきか、どのように関わっていくのかを考える実習にしていくことも良いでしょう。
まとめ
社会福祉士実習の目標に正解はありません。まずは何を学びたいのか、どんな社会福祉士になりたいのかを、自分自身としっかり向き合ってみてください。実習指導者としては、よっぽど突拍子のない目標でない限り、最大限目標が達成できるように希望に沿って実習プログラムを作成します。現場でしか体験できない充実した実習にするためにも、自分のやりたいこと・知りたいことを盛り込んだ目標を立てられると良いですね。
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