市役所のケースワーカーの魅力
なぜ市役所のケースワーカーに就きましたか?
市役所の福祉職員として採用され、ケースワーカーとして配属されました。
利用者(生活保護受給者)一人一人の家に訪問して話を聞いたりできるので、顔見知りになると相手にとって何が必要かだんだんわかってきます。仕事の目的は毎月利用者にとって必要な金額の生活費を計算して支払うということで、具体的ではっきりしているので仕事がしやすく、自分の目標などもその都度チェックしてスキルアップしていくことができます。
またケースワーカー同士は仲が良く、苦労なども互いにわかるため仲良くなりやすいので職場の環境も良いです。また、市役所仕事の中では珍しく、自分の仕事が終われば好きな時間に帰ったり有給を取ったりできるのが魅力的です。
市役所のケースワーカーの魅力は?
生活保護受給者もみんなが同じということはありません。1つ事例を紹介します。
利用者は行動に制限が多く引っ越しをするにしても毎回ケースワーカーに相談しなくてはなりません。しかし、中には決まりを守らない人もいます。その理由が認知症であったり本当にルールを守れないなど様々ですが、認知症だった利用者は本人も無自覚のうちにルールを破ってしまい精神的に非常に不安になっていました。
こちらの対応としては、ルールを破ってはいけないことを説明し、かつ本人がそれを心に留めて置けるように努めること、また今回は利用者が無断であったため市役所が支払えない費用が発生したが、利用者が困窮して生活できなくならないよう管理すること、また精神的に安定させることでした。
一通りの引っ越し作業が完了した後、利用者の家を訪れて今一度どういう気持ちで今回ルールを破ってしまったのか聞いてみました。すると質問に対する答えだけでなく、自分の体や心が弱っていくこと、本当は生活保護から抜け出したいができず、おそらく一生このままであること、身寄りは誰もいないので一人で死んで行かねばならないだろうこと、自分で自分のことがよくわからなくなっていくなどたくさんの気持ちを吐露していました。一人の人が胸の内に抱えている不安をこうして聞かせてもらえることは、重たい経験でした。
また利用者は精神科に以前通っていたが現在は交通機関の便により通えていないため、再び通院するようすすめた。また交通費を出せるよう取り計らい、その後は通院していたようです。
私の立場は利用者にとって「役所」の人間であると同時に相談者です。そのため、できないことはできないと伝えつつ、その伝え方も工夫しなくてはなりません。あくまで、ルールの上でできないこと、ただしその気持ちには寄り添いたく、またできる限り生活が改善するよう努めたいという誠意をうまく伝えなくてはなりません。毎回真剣勝負のようなもので、伝え方の大切さについても学ぶことができました。
色々な人に会えるので、人が好きな人には面白い仕事です。
市役所のケースワーカーを目指すにはどうしたらいいですか?
まずは各地方自治体の採用試験に合格する必要があります。福祉職採用狙いの場合には、社会福祉士や社会福祉主事を持っていることが望ましいとされる場合も多くあります。また、採用試験は筆記試験が必ずあるので過去問などで対策が必要です。面接時に希望職種としてケースワーカーをしたいと伝えておけば、おそらく早いうちにその部署を経験することになります。ケースワーカーは基本的に人手不足です。