【在宅介護体験】ガンの治療で在宅介護に。家族のサポートが欲しかった。
ガンの治療で在宅介護に
私の母ですが、消化器のガンの1種で在宅介護を行うことになりました。当時、私も神経系の病気でたまたま自宅療養中だったため、他の家族(父、兄)にかわって在宅介護を行うことになりました。
在宅介護を選んだ理由は他にもありまして、やはり自宅なので母が安心できるということです。やはり、病院等は結局言ってみれば施設であって、自宅ではありません。長期戦になる可能性もあったので、精神的に母が参らないよう家族も考え、たまたま母の希望も同じ在宅介護だったので、在宅介護を選ぶこととなりました。
また、病気がたまたま消化器のガンだったこともあります。比較的ガンの中でも在宅介護をしやすい箇所だったのです。つまり、在宅介護をしたくて出来ない例もあると思うので、そういう意味ではラッキーだったのかもしれません。
頼りになるのは自分だけ
1番苦労した、ということは、頼りになるのは自分だけ、ということでした。もちろん兄も父も金銭的な援助はしてくれていましたが、働いてている以上積極的な介護は無理です。そうなるとやはりどうしても頼りになるのは自分だけになってしまいます。とはいえ、それを辛そうにしていると、今度はそれを見ている母が辛くなるので、それを表面上に出さないようにします。それがなおさら苦労になりました。
公的機関の調整が大変
また、更に、公的支援を受けて思ったことが、様々方にお世話になることでしょうか。最近は在宅介護の例も増えているようで、サポートを受けることが可能です。それ自体はとても喜ばしいことなのですが、実際に利用してみるとどうしても公的機関は縦割りなので、各機関の連携があまり取れていません。結局の所連携を取るのは自分、すなわち利用者側です。サポートをしてもらう側ですのであまり強いことは言えませんが、その連携をすることもなかなか大変でした。
連携を取るには記録が紙の形として残ることになりますが、それも私には苦労をさせられました。1箇所にまとめておこうにも、大量の紙を保管して、それらも前述の通り連携を取るために後日わかりやすくする必要がある。結局、「これがここで、ここはこれの時に使って・・・」と整理しておくのも一苦労でした。
知識の習得が必要
他に大変だったことしては、やはり知識の習得です。まず、現在の病気の詳細から入るわけですが、病気になった原因、介護を行う上で気をつけること、介護方法、保険の種類、そしてそれらの保険がきくか否かなど、こちらを習得するのはなかなかの負担でした。病気になった側は苦しんでいるのですから介護をする側こそしっかりと理解をする必要があるわけで、学生時代の生物・化学分野の勉強までしました。しかし、そのおかげで何故こうなるのか、といった因果関係まで掴むことができたので、これは後々役に立ちました。
在宅介護のアドバイス
人によってそれぞれ状況は違うと思いますが、概ねこのようなことで苦労しました。頼りになるのは自分だけということに苦労したと書きましたが、ここで必要な工夫としては、抱え込まない、ということです。当然、外に働きに出ている家族は実際の介護自体はできませんが、情報の共有、相談なら比較的容易にできるでしょう。どうしても抱え込んでしまうと追い込まれがちなので、少しはけ口とするためにも少しずつでも家族の助けを請いましょう。
公的支援のサポートを受けるための連携に苦労したということに対しては、地方自治体(役所、役場等)にはたいてい福祉課があります。福祉課がなくても、それに該当する部署を問い合わせ、相談してみましょう。実際私もいろいろと細々としたことまで相談に乗っていただきました。
また、紙で残る記録の保管方法は、最初の頃にある程度時間を取って、しっかりと保管方法を確立してしまうことです。そうすると、後々楽になります。
知識の習得に関しては、専門家(状態によりますが、専門医や薬剤師など)への質問が大事になってきます。必要な情報収集はそれからでしょう。