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【社会福祉士】ボランティア?公務員?地域の身近な協力者である民生委員とは?

「社会福祉士」に関するオススメ本

社会福祉士に興味がある方に読んでもらいたい1冊です。本HPで連載していた事例を紹介しています。施設相談員がメインの事例となっており、介護福祉士と何が違うのか、どんなことをするのかよくわかると思います。小説風に書かれているので読みやすいかと思います。


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民生委員とは

民生委員とは、民生委員法に基づき、各市町村の区域に置かれる民間奉仕者、つまりボランティアのことです。民生委員法第1条において、「民生委員は、 社会奉仕の精神をもって、常に住民の立場に立って相談に応じ、及び必要な援助を行い、もって社会福祉の増進に努めるものとする。」と定義されています。都道府県知事の推薦により厚生労働大臣から委嘱された、非常勤の地方公務員ではありますが、給与の支給はありません。任期は3年で、現在は全国で約23万人の民生委員が活動しています。児童福祉法における、児童委員と兼任されています。

どんな方が民生委員になっているかというと、地域の実情に詳しく、人脈があり、地域を良くしたいという熱心な方々です。民生委員は住民にとっての身近な相談役であり、地域福祉を推進する担い手の一人と言えます。

活動内容

民生委員の活動内容は、このように示されています。(民生委員法第14条を基に作成)

1.住民の生活状態を必要に応じ適切に把握しておくこと。
2.生活に関する相談に応じ、助言その他の援助を行うこと。
3.福祉サービスを適切に利用するために必要な情報の提供その他の援助を行うこと。
4.社会福祉事業者と密接に連携し、その事業又は活動を支援すること。
5.福祉事務所その他の関係行政機関の業務に協力すること。
6.その他必要に応じて、住民の福祉の増進を図るための活動を行うこと。

具体例を考えてみましょう。例えば、高齢の夫婦世帯や単身世帯を訪問して、状況確認をすることがあります。 だんだんと自分で食事を作ることが難しくなっているというニーズが仮にあった場合は、地域で利用できる配食サービスを紹介することがあるかもしれません。

引きこもりの家族がいることに困り感を抱えている家庭を発見した場合には、当事者への声かけや見守りだけでなく、引きこもりの子を持つ家族同士が繋がれる場を勧めたりすることもあるでしょう。

民生委員自身が地域の身近な存在で住人の一人なので、 何か具体的なサービスを紹介するに至らなくても、民生委員が話を聞いたり見守ること自体が、安心感を提供できたり、地域で孤立している人のつながりになることがあります。さらに民生委員をきっかけに他の地域住民と繋がったときにも、民生委員を通じてどんな方なのかが他の住民に伝わることで、関係性を築きやすくなることもあります。ここに、インフォーマルな資源としての民生委員の意義があると言えるでしょう。

民生委員は、地域の細やかなニーズを発見しやすい立場にあります。そのため、地域の実情に合わせた問題提起をしたり、専門職の介入が必要な場合には情報提供するといった重要な役割を担っています。連携先も様々で、地域のボランティア団体、公民館、学校、市町村、社会福祉協議会、福祉事務所、児童相談所、 保健所、教育委員会、保育所、医療機関等々が挙げられます。 連携に際しての個人情報の取り扱いについては、民生委員法第15条において、秘密保持が義務付けられています。

民生委員を取り巻く課題

現在民生委員となっている方の多くは、 子育てや仕事が一段落したシニアの方々です。 民生委員はボランティアといえど、対応する課題は幅広く、認知症、 老老介護、児童虐待、DV、生活困窮、8050といった引きこもり等々、 多岐に渡っています。そのような中で疲弊してしまう民生委員も多く、またその重責からなかなかなり手がおらず、担い手不足が叫ばれています。民生委員同士の横の繋がりや、専門職との連携により、民生委員自身をサポートする仕組みが必要です。特に専門職との連携においては、お互いの範疇について相互理解を深めながら、インフォーマル・フォーマルな資源を活用し、ときに開発しながら、地域課題に取り組んでいくことが重要と言えます。

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