社会福祉士になるためのソーシャルワーク実習が始まって、実習生がまず直面する問題といえば、実習日誌の目標の立て方の難しさかと思います。毎日気の抜けない実習を終えて、帰宅してから作成する実習日誌は本当に大変です。慣れない記録を書くことに加え、目標を立てて考察、評価をすることはかなりの負担になるでしょう。
今回はそんな実習生に向けて、毎日の目標の立て方のポイントについてお伝えしたいと思います。
翌日の実習内容を確認してみましょう
その日のプログラムが終了した際に、帰宅前に必ず実習指導者に翌日の実習内容について確認をしてみましょう。実習指導者は実習プログラムを作成しているので、翌日の内容について教えてもらえると思います。聞きづらい場合は、明日の持ち物確認を兼ねて予定を聞いてみることも良いでしょう。翌日の実習内容を知ることは、目標を立てる上で重要なヒントになるはずです。
実習指導者のねらいを考えてみましょう
実習指導者は実習生の提出する実習計画書に基づいて、なるべく希望に沿う形で実習プログラムを組んでいますが、その中でも何を学んでほしいのか、どんなことに気が付いてほしいのか等の課題(ねらい)を設定してプログラムを作成しています。実習指導者が組んだプログラムの意図に着目して目標を立てるのも、一つの手段でしょう。
今回は実習先で選ばれることの多い「社会福祉協議会」「地域包括支援センター」「特別養護老人ホーム」について、実習指導者が設定する実習課題の例を挙げてみたいと思います。
社会福祉協議会
・市町村の概要、住民の福祉ニーズの状況について理解する
・社会福祉協議会の使命、性格、機能、活動原則等について理解する
・社会福祉協議会の機構及び事務局組織業務について理解する
・収入や支出、財務、共同募金について理解する
・個人アセスメントと援助計画作成について理解する
⇒地域福祉権利擁護事業・介護保険・障害等のサービス利用者訪問などのプログラムが組まれた際に設定される課題です。
・地域アセスメントと地域援助計画作成について理解する
⇒地域への訪問、アセスメント、配食サービス、地域懇談会等のプログラムが組まれた際に設定される課題です。
・住民への普及・啓蒙方法、福祉教育を理解する
・成年後見制度や権利擁護事業、権利擁護システムを理解する
地域包括支援センター
・介護保険制度を理解する
・利用者主体のサービスの在り方について考える
・地域包括支援センターの3職種の役割、チームアプローチについて理解する
・地域包括支援センターの意義について考える
・総合相談支援、権利擁護の視点について理解する
・関係機関、関係団体との関係について理解する
・相談面接の技術と方法について理解する
・高齢者の支援について、訪問によることの意義について理解する
・自立を支援する視点から住環境について洞察することができるようにする
・福祉用具や住宅改修と生活との関連、意義について理解する
・サービス調整の実際と、利用者等への説明と同意のプロセスを理解する
・虐待や援助困難な事例について発見の方法や支援のプロセスを理解する
特別養護老人ホーム
・施設の組織、システム、予算、人員について理解する
・ホーム内の生活日課を知り、利用者との交流を通じて利用者の思いとニーズを知る
・相談員の業務について理解し、外部関係機関や地域との関係の中で相談員の果たしている役割について考える
⇒相談員の業務に同行し、民生児童委員や地区協議会長などの地域関係者との協議に同席するなどのプログラムが組まれた際に設定される課題です。
・権利擁護過程を通じて施設内調整機能について学ぶ
⇒個人情報保護と入退所の手続きに関する業務に同行するなどのプログラムが組まれた際に設定される課題です。
・リスクマネジメント機能について理解する
⇒ヒヤリハット、事故報告書閲覧などのプログラムが組まれた際に設定される課題です。
・利用者にとっての施設生活について総括する
⇒最終日に施設実習全体を通じて学んだことを発表するなどのプログラムが組まれた際に設定される課題です。
おわりに
毎日の目標を立てることは本当に大変ですが、目標をもって実習に取り組むことによって、より理解の深まる実習になるかと思います。
もしどうしても思い浮かばない場合は、前日の達成できなかった課題を目標にしても良いですし、学びたいことについてその都度実習指導者に相談してみても良いですね。
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