社会福祉士の通信課程では、実習先で指導者と良好な関係を築くことが学びを深めるうえで欠かせません。しかし、意図せずコミュニケーションがうまくいかず、距離を感じてしまうこともあります。最初の印象や小さな行き違いから「話しにくい」「指導が受けづらい」と感じた場合、どう対応すれば良いのでしょうか。ここでは、関係づくりに失敗したと感じた時に取れる具体的なリカバリー方法を紹介します。
1. 自分の振る舞いを客観的に振り返る
まずは冷静に、自分の言動を見直します。例えば、指示を受けた際の返事が曖昧だった、質問の仕方が一方的だった、など無意識のうちに相手に不快感を与えた可能性があります。メモや日誌を振り返り、「どの場面で違和感を持ったか」「相手の表情や態度が変わった瞬間」を具体的に書き出すことで、自分が修正できる点が見えてきます。
2. 小さな声かけから関係を再構築する
大きな話し合いをする前に、日常のちょっとした挨拶や感謝を意識して伝えましょう。「昨日のアドバイス、実践してみました」「今日の事例、とても勉強になりました」と短い言葉で構いません。毎日の積み重ねが信頼を取り戻す第一歩になります。特に朝や実習終了時の挨拶は簡単でも継続が大切です。
3. 学びたい姿勢を具体的に示す
「どんなことを学びたいか」を明確にして伝えると、指導者にとっても指導しやすくなります。例えば「利用者との面談時の声かけを学びたいので、実際に同席させていただけますか」と具体的に依頼すると、相手も目的を理解しやすく、誠意が伝わります。受け身の姿勢を改め、主体的に学びたい意欲を示すことが関係修復につながります。
4. 誤解がある場合は早めに対話する
もし明らかな誤解や行き違いが原因であれば、早めに短い面談をお願いしましょう。例えば「私の説明が不十分だったかもしれませんが、意図を補足したいです」と自分から切り出します。責任を押しつけるのではなく、自分の言動を振り返る姿勢を見せることがポイントです。早期に誤解を解けば、後の実習をスムーズに進めることができます。
5. 学校の実習担当やスーパーバイザーに相談する
自分だけで解決が難しいと感じた場合は、学校の実習担当者やスーパーバイザーに早めに相談します。第三者の立場から状況を整理してもらい、アドバイスを受けることで解決策が見えることがあります。問題が大きくなる前に相談することで、必要に応じて実習先と学校が連携してサポートしてくれる場合もあります。
6. 気持ちを切り替えて次に活かす
たとえ実習中に完全に関係を修復できなかったとしても、その経験自体が貴重な学びになります。人間関係の難しさを体験したことは、将来支援者として多様な人と関わるうえで大きな糧になります。実習後には振り返りとして「どのようにすればより良い関係を築けたか」をまとめておくと、今後の職場で同じ状況に直面したときに活かせます。
まとめ
実習指導者との関係づくりに失敗したと感じた時は、まず自分の振る舞いを客観的に振り返り、小さな挨拶や感謝を積み重ねることから始めましょう。学びたい姿勢を具体的に示し、必要であれば早めに対話や相談を行うことが大切です。たとえ完璧に修復できなくても、その経験を次に活かすことが社会福祉士としての成長につながります。