はじめての実習で不安な方へ
社会福祉士の実習が決まると、多くの学生が次のような不安を感じます。
「実習では1日どんなことをするのだろう」「社会福祉協議会の実習は忙しいのだろうか」「実習生はどこまで関わることができるのだろう」。
この記事では、社会福祉協議会での社会福祉士実習の1日の流れについて、一般的な例を紹介します。実習先によって多少の違いはありますが、これから実習に行く方がイメージをつかむ参考になれば幸いです。
社会福祉協議会での実習は、基本的には職員と同じ時間帯で行われます。ここでは一例として、典型的な1日の流れを紹介します。
9:00 出勤・朝礼
実習生も職員と同じように出勤し、朝礼に参加します。朝礼ではその日の予定が共有され、訪問予定や会議の確認などが行われます。
実習先によっては、実習生がその日の目標を簡単に伝えることもあります。例えば「本日は生活困窮者支援の相談対応を見学し、相談援助の進め方を学びたいと思います」といった形で、自分の学習目標を共有することがあります。
この時間は、職員がどのように業務を進めているのかを知る良い機会でもあります。
9:30 相談対応の見学
社会福祉協議会では、地域住民からさまざまな相談が寄せられます。生活費に困っているという相談や、家族の介護についての悩み、地域活動への参加に関する相談など、内容は多岐にわたります。
実習生はまず、職員の相談対応を見学することが多いです。相談の進め方や相手の話を聴く姿勢、制度の説明の仕方などを観察しながら、ソーシャルワークの基本を学びます。
実際の相談場面では、相談者の思いに寄り添いながら問題を整理していくプロセスを見ることができ、教科書では得られない学びを得ることができます。
11:00 地域活動の準備
社会福祉協議会では、地域の交流や支え合いを促進するための活動も数多く行っています。高齢者サロンやボランティア講座、地域住民の交流会などの企画・運営も重要な業務の一つです。
そのため実習生は、こうした地域活動の準備を手伝うことがあります。資料の準備やチラシの作成、会場設営の補助などを通して、地域福祉活動がどのように運営されているのかを実際に体験することができます。
12:00 昼休憩
昼休憩は職員と同じ時間に取ることが多く、職員と一緒に食事をする場合もあります。この時間はリラックスした雰囲気の中で職員と話ができる貴重な機会でもあります。
福祉の仕事について質問したり、職員のこれまでの経験を聞いたりすることで、実習では得られない視点を学ぶことができることもあります。
13:00 訪問支援の同行
午後には、職員の訪問支援に同行することもあります。高齢者宅を訪問して生活状況を確認したり、生活困窮者支援の相談に対応したりと、地域の中で行われている支援を直接見ることができます。
実習生は基本的に見学が中心ですが、訪問の後に職員が状況を説明してくれることも多く、支援の考え方や判断の背景を学ぶ機会になります。
15:00 振り返り・実習指導
事務所に戻った後は、その日の実習内容について振り返りを行います。指導担当者から質問を受けたり、実習生自身が感じたことや疑問点を共有したりする時間です。
実習の中で感じた違和感や気づきを言葉にすることで、自分の理解を深めることができます。この振り返りの時間は、実習で得た経験を学びに変えるために非常に重要な時間です。
16:00 実習記録の作成
社会福祉士実習では、毎日実習記録を書くことが求められます。実習で行った活動の内容だけでなく、そこで得た気づきや学び、今後の課題などを整理して記録します。
この記録は後日、指導者がコメントをつけて返してくれることも多く、実習を通して成長していくための大切な資料になります。
17:00 実習終了
夕方になると、その日の実習は終了です。職員に挨拶をして帰宅します。ただし実習期間中は、帰宅後にその日の振り返りを行ったり、実習記録を整理したりすることも多くなります。
社会福祉協議会の実習で学べること
社会福祉協議会の実習では、施設とは異なる視点から福祉を学ぶことができます。特に大きいのは「地域福祉」という考え方です。
地域の中には、表面には見えにくい課題を抱えている人が多くいます。そうした人々を支えるためには、行政や地域団体、住民同士のつながりなど、さまざまな資源を活用する必要があります。
また、社会福祉協議会は多くの機関と連携しながら活動しています。市役所や地域包括支援センター、民生委員、ボランティア団体などとの協力関係を見ることで、福祉の現場では「連携」がいかに重要であるかを実感することができます。
さらに、相談援助の場面を見学することで、傾聴や信頼関係の構築といったソーシャルワークの基本を学ぶこともできます。
実習前に意識しておきたいこと
社会福祉協議会の実習では、地域の課題や支援の仕組みに目を向ける姿勢が大切です。単に業務を見学するだけではなく、「なぜこの支援が必要なのか」「どのような地域課題が背景にあるのか」といった視点を持つことで、実習の学びは大きく深まります。
また、分からないことがあれば積極的に質問することも重要です。実習生は学ぶ立場にありますので、遠慮せずに疑問を伝えることが大切です。
まとめ
社会福祉協議会での社会福祉士実習では、相談援助の場面や地域活動の運営、訪問支援などを通して地域福祉の実践を学ぶことができます。
1日の流れとしては、朝礼から始まり、相談対応の見学や地域活動の準備、訪問支援への同行などを行い、最後に振り返りと実習記録の作成を行う形になることが多いです。
実習は慣れない環境で大変に感じることもありますが、福祉の仕事を理解するための貴重な経験になります。ぜひ前向きな気持ちで取り組んでみてください。