社会福祉士の実習が終わったら実習先へ御礼状を送付します。今回は御礼状の書き方とテンプレートをお示しします。
①頭語と結語
「頭語」と「結語」は、手紙でいうと「こんにちは」と「さようなら」に該当する部分です。一行目に左詰めで書きます。頭語と結語は、対になっているものを使用します。
頭語 | 結語 |
---|---|
拝啓 | 敬具 |
拝呈 | 敬白 |
啓上 | 敬具 |
②時候のあいさつ
頭語の次の一文字を空けて、時候のあいさつを書きます。時候のあいさつとは、季節や相手の心情に対する気遣いの言葉です。見本のお礼状では、9月の初旬にお礼状を送付することを想定し、「初秋の候」としています。「○○の候」の後は、一文字空けて挨拶文を書きます。お礼状では実習先の施設のことを「貴施設」や「貴事業所」と書きます。
例)梅雨の候、貴施設におかれましては、益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
晩秋の候、貴事業所におかれましては、益々ご隆昌のこととお慶び申し上げます。
③実習のお礼
実習を受け入れていただき、指導してくださったことに対する感謝の気持ちを表す一文を書きましょう。
④本文
実習を行ったことで自身の学びとなった出来事や印象的なエピソードを書きましょう。その場面で考えたことや、自分の考えや行動がどのように変わったのかなどを具体的に書きます。
例1)
生産活動の作業の丁寧さを褒められた利用者の方が、そのことをとても嬉しそうに私に話しかけてくれたことがありました。自分の仕事にやりがいを感じられるのは、利用者に対して個別化の視点で支援を行う職員の方がいるからこそだと感じました。バイスティックの7つの原則について、実践的に学べたことも、私にとって大切な経験となりました。
例2)
相談援助技術の他にも、特に社会福祉士に必要な資質であると思ったのは、利用者の就労先や相談支援事業所と調整する力です。支援の方向性のズレがないよう、また利用者の課題などの見立てを各支援機関で共有しておくために、必要な力であると学びました。
例3)
実習を行ったことで、事前に大学の講義で学んだことが、より明確になりました。特に「個と環境の相互作用」という言葉の意味を、実習を行う中でより具体的に落とし込んで理解することができました。障害のある方が持っている能力を奪わないために、その人の得意なことや、助けが必要なことをしっかり見立てて、環境構成を行うことが大切であると学びました。
⑤今後の目標や資格取得に対する姿勢
本文で述べたことを踏まえて、資格取得や目標に向かって今後どのように努力するのか、意識したいこと、心構え、決意などを書きます。
例1)
私は、障害者の就労に関わり、その人らしい人生を送れるように支援できる社会福祉士になることが目標です。今後も目標に向かって努力を積み重ねていく所存です。
例2)
実習で学んだ社会福祉士としてのスキルを磨き、障害のある方を支えることができる社会福祉士を目指して、これからも精一杯努力します。
例3)
社会福祉士として現場で活躍できるのか不安でしたが、丁寧に教えていただいたことで、自信がつきました。実習で学んだことを忘れずに、努力していきます。
⑥結び
ここでは、お礼状を書いた目的を書きます。本来であれば、直接相手を訪ねてお礼を伝えるべきところを、お礼状でお礼を伝えていますので、「略儀ながら」「とり急ぎお礼を申し上げたく」などがふさわしいです。続けて、実習を行った施設の発展や、お世話になった職員の健康を願う一文を書きます。
例1)
末筆ではございますが、貴施設の利用者、職員の皆様のご多幸をお祈りしております。
例2)
末筆ではございますが、貴施設の益々の繁栄と皆様のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
⑦日付
日付は、行の頭から2~3文字下げて書きます。お礼状を郵送する場合は、ポストに投函した日の日付を書きます。
⑧所属、氏名
右詰めで、大学や学部学科などの所属と氏名を書きます。
⑨宛て先、相手の肩書と氏名
自分の氏名のあとに一行空けて、実習先の法人名、事業所名を書きます。実習先の実習指導担当職員の氏名が分かっている場合は、肩書と合わせて書きます。肩書が分からない場合は、「実習指導ご担当 ○○様」と書きます。不確実な相手の情報は書かないように気をつけましょう。
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