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【第8回】 在宅生活を強く望むUさん ~ご本人の気持ちに沿った支援を~

Kさんからの返答を聞き、私は複雑な気持ちになりました。受け入れてくれる施設が少ないということは、当然Uさんにとって良いことではありません。

 

本来、施設側が利用者を選ぶということはあってはならないことです。しかし、施設職員であった私には施設側の事情や気持ちもよくわかる部分がありました。施設を利用している他の方の安全を保障することもまたサービス提供者の責任であり、怠ってはならないものです。施設側はそれを優先するあまり、職員がつきっきりになってしまうような利用者の方を受け入れることに消極的になってしまうのです。ですが、本当はそのような方こそご家族の介護負担が大きく、介護職というプロのサービスを必要としているのです。

 

どこの施設も人員に余裕がなく、行き届いたサービスを提供することが困難であることも容易に想像がつきます。しかし、やはり介護サービスというものはご本人とご家族のためにあるものであって、プロである私たちはその方々のために誠意を尽くしてサービスを提供しなければならないと思います。Uさんのように施設側から利用を断られてしまい困っている方々が一人でも減るように、サービス提供側が努力していく必要があるでしょう。

 

Uさんは、その後もうちのショートステイを月一回程度利用しています。半年ほど経った頃から、二泊三日もできるようになりました。少し離れる時間ができたおかげでNさんの精神状態も徐々に安定してきているとKさんから聞きました。介護職員もすっかり対応に慣れ、Uさん自身も慣れてきたのか、帰宅願望を強く訴えて困ることも少なくなってきました。

 

ご家族は一時施設入所も考えていたと言いますが、ご本人が在宅での生活に強い執着を持っていることから、もうしばらくはショートステイを利用しながらご本人の望む暮らしを続けてほしいと考えているようです。もちろん職員も同じ思いを持っています。

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