実習のまとめ、何を書けばいいかわからないあなたへ
社会福祉士実習の最終日後に提出が求められる「実習のまとめ」。
しかし、いざ書こうとすると「何をどう書いたらいいのか分からない…」と手が止まってしまう実習生も多いのではないでしょうか。
実際、「まとめ」の形式や書き方には明確な決まりはなく、自分なりの振り返りを書くしかないのが現状です。
けれども、実習指導者側は一定の視点や評価ポイントをもって読んでいることをご存じでしょうか?
この記事では、実習指導者がチェックしている5つの観点をもとに、まとめに盛り込むべき内容のコツをお伝えします。
実習課題の達成度をふりかえる
実習計画書で掲げた実習全体の目標・課題について、どの程度達成できたのか、自己評価をしてみましょう。実習で学びたかったことは学べたのか、また実習計画書で設定した実習の具体的達成課題はどの程度達成できたのか、実習全体を振り返ってみましょう。もし達成できていない場合は、どの課題が達成できなかったのか、どうすれば良かったのか、今後達成のためにできることはあるのか等を書いてみるのも良いでしょう。
- 実習で学びたかったことは実現できたか?
- 具体的な実習課題はどの程度達成できたか?
- 達成できなかった場合、原因や今後の対策は?
できたこと・できなかったことを正直に書きながら、どんな姿勢で取り組んだのかを伝えることが大切です。
組織の役割と課題についての理解
実習先の組織の役割については、事前学習時に比べて理解が深まりましたか?実習先の組織が地域社会においてどのような役割や使命を持っているのか、また組織としての課題は何かについても、実習を通じて感じ取ったことを書いてみましょう。実習施設によっては他職種で連携して援助を行っているところもあるので、チームアプローチや他職種で協働する意義について、学び取ったことを書いてみるもの良いでしょう。
- 組織の使命や地域での位置づけ
- チームアプローチの有無と他職種との関係性
- 現場で見えた組織の課題や改善の余地
事前学習とのギャップや、新たな発見を具体的に書いてみましょう。
利用者との関係形成とニーズの理解
実習で関わった利用者との関係形成(ラポール形成)はうまくできたのか、また利用者が抱えている個別のニーズや課題をどの程度理解できたのか、振り返ってみましょう。初めて当事者と関わり、それぞれが抱えている認知症や病気、障害に深く関わったという実習生は多いかと思います。その経験で、どんなことを感じ、何を学んだのかをまとめてみましょう。また個別のニーズに対して、自分だったらどのようにアプローチしていくのか、考えてみるのも良いですね。
- はじめて関わった障害や病気、高齢者の特性
- 支援の中で感じた難しさと学び
- 自分ならどんなアプローチをしたいかという考察
単なる出来事の列挙ではなく、自分の気づきや感情の変化も記してみましょう。
社会福祉士の専門性への理解と習得
現場で働く社会福祉士を初めて見るという実習生がほとんどだと思いますが、実際に社会福祉士が現場でどのような技法を使って、アセスメントや援助をしているのか理解はできましたか?教科書で学んだことを、実際に体験してみてどう感じたのか、また技法について自身でも使ってみてどうだったのか、感じたことを書いてみましょう。身振り手振りや声のトーン、相手との距離感などの非言語的コミュニケーションについては、現場でしか体感することができません。
社会福祉士として、どんなことを学びとったのか、また自分が目指す社会福祉士像は描けたのか、きちんと振り返りを行いましょう。
- アセスメントや面接の技法、記録の工夫
- 身振り手振り、声のトーン、沈黙などの活用
- 実際にやってみたことで見えた課題と発見
現場のリアルに触れた体験を、自分の今後の成長にどう活かすかまで書けると深みが出ます。
スーパーバイジーとしての学びと変化
実習先では、実習指導者と定期的にスーパービジョンを行っていたかと思いますが、その時にどんなことを指摘されたのか、覚えていますか?スーパーバイザーからの指摘は、そのときのあなたの課題です。指摘された課題について考えることで、より実習での学習効果を高めることができるのです。指摘された内容は何だったのか、それについて自分はどのように課題に向けて取り組んだのかを、実習のまとめにぜひ書いてみましょう。
- 指摘されたことにどう向き合ったか
- 取り組んだ工夫や意識の変化
- 実習を通して成長したと感じるポイント
単なる報告ではなく、内省を通じた「自己成長の記録」としてまとめるのが理想です。
まとめを書くことは、自分を見つめ直すこと
長かった実習も、まとめを書くことでようやく終わりを迎えます。
この振り返りを通して、あなたが目指す理想の社会福祉士像が少しずつ明確になるはずです。
「何を書いていいかわからない…」と悩んでいたら、この記事で紹介した5つの視点を参考に、ひとつずつ振り返ってみてください。
実習指導者に伝わるだけでなく、自分自身の成長の軌跡として、きっと意味ある時間になるはずです。
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