2020/08/07

問題1
1960年代後半からアメリカで展開した自立生活運動に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 . 障害者自身の選択による自己決定の尊重を主張している。
2 . 障害者の自立生活は、施設や病院で実現されるとしている。
3 . 「ゆりかごから墓場まで」の実現に向けた制度設計を目指している。
4 . 障害者が機能回復を図ることを「自立」としている。
5 . 介護者を生活の主体者として捉えている。
〇1.障害者自身の自己決定が大切であるため、本人の意思が尊重され自己決定ができるように周りのサポートも重要です。
2.施設や病院ではなく、地域の社会生活の中で自立した生活できるように支援していくこととされています。
3.「ゆりかごから墓場まで」という言葉はイギリスの社会政策の言葉で国民全員が無料で医療サービスを受けられることを基幹としています。
4.機能回復をすれば自立というわけではなく、自己決定のもとに社会の中で生活をすることを「自立」とされています。
5.主体者は障害者本人です。
問題2
Aさん(65歳、男性、要介護2)は、昨年、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断された。妻は既に亡くなり、娘のBさん(35歳)は遠方に嫁いでいる。Aさんは、現在、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)で生活している。Aさんは介護福祉職に対して、「Bは頭もいいし、かわいいし、きっと妻に似たんだな」とよく話していた。
Bさんが面会に来た時「誰だい。ご親切にありがとうございます」というAさんの声と、「私はあなたの娘のBよ、忘れちゃったの」「お父さん、しっかりしてよ」と怒鳴るBさんの声が部屋から聞こえた。
介護福祉職がAさんへのアドボカシー(advocacy)の視点からBさんに行う対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 . Aさんへの行動は間違っていると話す。
2 . Bさんに対するAさんの思いを話す。
3 . Aさんの成年後見制度の利用を勧める。
4 . Aさんとはしばらく面会しないように話す。
5 . Bさんの思いをAさんに伝えると話す。
1.Bさんは混乱しており、間違いだと指摘するのは適切ではありません。
〇2.アドボカシーとは病気や障害等により自己表明が難しい人に代わり、代理人が権利を表明することを言います。
娘のBさんについてAさんから聞いている話を代わりに伝えることは正しい判断です。
3.娘さんがいるにもかかわらず成年後見制度を勧める必要はありません。
4.面会を禁止するのではなく、Bさんに認知症について理解してもらうことが必要です。
5.Bさん本人が伝えれば良いので、介護職が介在する必要はありません。