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介護事例連載【第3回】Iさんの夢 ~利用開始~

time 2019/08/01

介護事例連載【第3回】Iさんの夢 ~利用開始~

仕事中以外の世話は娘さんがするとのことでしたが、自宅での入浴が最も負担が大きいとのことで、生活の活性と入浴を主たる目的に、Iさんは定期的に来所することになりました。

 

主治医はIさんと娘さんが長年診てもらっている先生がいいとのことでした。先生は年配で、言葉のチョイスが少々乱暴な部分がありましたが、Iさんたちとの長らくの信頼関係が垣間見えるアットホームなやりとりで、自宅での介護、医療における連携につき快諾してくれました。

 

看護師については主治医が訪問看護ステーションを併設しているので、そちらと連携させてほしいとのオーダーがありました。特にデメリットのない話であり、阿吽の呼吸で動けるのが最善です。娘さんを筆頭に、医療は昔から付き合いのあるかかりつけ医、介護は私たちという最強サポートチームの発足です。

 

Iさんは自分から何かをしたり、何かを言うこともなく穏やかで、他の利用者からも可愛がられていました。一方、折り紙や塗り絵、裁縫や手芸、フラワーアレンジメントなどの手先を使う活動の腕前は相当なもので、皆から注目、称賛されていました。だからと言ってIさんはそれをひけらかすわけでもなく、大人しく目立たない同級生は実はスゴいヤツだったような雰囲気になっていました。

 

このレベルの利用者だから難しいことはできないだろうと内心思っていたスタッフは、違う意味で裏切られたと驚いていました。

 

利用開始当初はさすがの娘さんにも久々の同居、介護に少し疲れた様子が見えました。しかし、「正直しんどいね。お母ちゃんより先に死んじゃうかも。まぁ自分が選んだ道、やりたかった道だから、とことんまで行くよ」と笑ってよいのか判断に迷う冗談を言いながら、徐々に元気を取り戻していきました。

 

Iさん自身も事業所に馴染んできたようで、懸命に自分から他の利用者に声をかけたり、手先を使う活動で困っている利用者に身振り手振りで教えようとする姿が見られるようになってきました。普段は意地悪な利用者もIさんはだけは特別なようで、助けたり教えられたりという良好な関係ができ上がっていました。娘さん曰く、昔は人の世話を焼いたり何かを教えるのが大好きだったので、その感覚が少し蘇ったのではないかとのことでした。

 

心身状態の重度さで言うとIさんはトップクラスでしたが、見方を変えれば物理的な負担が大きいだけの話で、娘さんの協力体制も手伝って、私たちにとっては非常にやりやすく、強い信頼関係が築かれていきました。

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