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【試験対策】治療モデル、診断主義アプローチ、問題解決アプローチ、課題中心アプローチ 社会福祉士

【試験対策】治療モデル、診断主義アプローチ、問題解決アプローチ

社会福祉士の試験においてアプローチが出題されることは多々あります。しかし種類が多いので混乱することも珍しくありません。似たような名前のものも多いですが、全体の関係を掴んでおきましょう。社会福祉士として働く上でも支援方法の基礎として理解しておく必要があります。今回は、リッチモンドの治療モデルから、診断主義アプローチ、問題解決アプローチへどのように変遷したのか確認します。

 

「社会福祉士」に関するオススメ本

【実務未経験者必見】社会福祉士の仕事ってこんな感じなんです。総集編(1~3巻分)

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社会福祉士に興味がある方に読んでもらいたい1冊です。本HPで連載していた事例を紹介しています。施設相談員がメインの事例となっており、介護福祉士と何が違うのか、どんなことをするのかよくわかると思います。小説風に書かれているので読みやすいかと思います。

 

ケースワークとは

ケースワークとは、個別援助技術とも呼ばれ、援助者である専門職において利用者が抱える生活課題を把握し、課題解決の方法として様々なアプローチを実践して問題解決を目指すことです。リッチモンド,Mが初めてケースワークを理論的に体系化しました。

リッチモンド,Mによる定義
「ソーシャルケースワークは人間とその社会環境との間を個別に、意識的に調整することを通して、パーソナリティを発達させる諸過程からなっている。」

 

治療モデル(1910年代)

提唱者:リッチモンド,M

治療モデルは医学モデルとも呼ばれ、医師が患者を治療するように、「病気を治療する」ことに焦点を当て、その原因の解決を目指すものです。リッチモンドは、ソーシャルワーカーの実践が「インテーク→調査→社会診断→処遇(社会的治療)」という一連の過程を提唱しました。

 

治療モデルの特徴

・社会診断によって、利用者の問題とその問題の発生原因を特定し、社会環境を改善するとともに、クライエントのパーソナリティを治療的に改善することを目的としています。
この治療モデルは、後述する診断主義アプローチや心理社会的アプローチの基になっています。 

 

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診断主義アプローチ(1920年代)

提唱者:トール,Cハミルトン,G

1920年前後からケースワークに対する精神分析学の影響が大きくなり、フロイトの精神分析学に依拠した診断主義のケースワークが主流となっていました。リッチモンドの社会診断や、精神分析の概念を取り入れて体系化されました。

 

「診断派」は、ケースワーク過程を「インテーク→スタディ→社会的診断→社会的処遇」と捉えており、利用者の置かれている社会・心理的状態を明らかにする為に行われる診断が有効な処遇を可能にすると考えられたものであり、社会的診断を重視しています。

 

診断主義アプローチの特徴

利用者の心理的側面等に焦点を当て、過去の生活史を重視し、援助者主導のもと面接を中心とした長期生活援助を行う方法です。

 

診断主義アプローチの特徴

①利用者の問題の心理的側面の重視、②パーソナリティの発達に焦点を当てた過去の生活史の重視、③面接を中心とした長期的援助関係における援助者の主導性、④調査→診断→治療の過程を重視

 

利用者の問題を病的状態ととらえ、これらを治療するのは援助者であるという専門職中心の医学モデルでした。関心の主は精神面であり、社会関係などは重要視されていませんでした。

 

問題点

しかし、ソーシャルワークの狙いとしていた社会改良の側面が薄れてしまい、リッチモンドが重要視した社会的環境に対する働きかけが疎かになってしまいました。

機能的アプローチ(1930年代)

提唱者:ランク,O、ロビンソン,V、スモーリー,R、タフト,J

フロイトの弟子であった、ランク,Oの心理学(フロイトが過去に注目した部分を否定し、現在に焦点を当てた)を基礎理論としています。

診断主義アプローチへの批判として誕生した経緯があり、 「意思心理学」を基礎として体系化されました。

 

機能的アプローチの特徴

利用者の主体的意見に注目し、本人、援助者、社会機関という3要素の相互関係によって援助が展開される方法です。

 

①「疾病の心理学」より「成長の心理学」、②「治療」よりも「援助」、③機関の機能の枠に沿った援助、④利用者中心、⑤開始→中間→終結の時間的展開の重視

 

診断主義のような専門職中心の調査→診断→治療の過程を止め、「初期の局面→中間の局面→終結の局面」と時間的な経過の中での相互的なケースワーク関係によって展開していくものです。

これは、その時その時で「今何が必要なのか、何が出来るのか」を判断する事が問題解決に繋がると考えたからである。よって機能派は時間的段階を意図的に活用する必要があり、その様に援助しようと考えています。

 

問題点

診断主義学派と機能的学派は激しく対立することになりましたが、どちらもソーシャルワークのおける社会改良という点が弱かった。

 

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問題解決アプローチ(1950~60年代)

提唱者:パールマン,H

1954年、マイルズが心理的な側面ばかりを重要視したケースワークに対して、「リッチモンドに帰れ」と主張しました。この時期、ついに診断主義と機能主義の折衷を図る動きが見られました。それが、パールマンであり、問題解決という視点から両者の折衷を図りました。基本的には診断派の考え方でありながら、機能派の考え方も取り入れて、過程を「開始期→診断→問題解決」という流れで行おうとしたものです。

 

問題解決アプローチの特徴

ソーシャルワークを「好ましくない状態から好ましい状態への移行を含む問題解決過程」と捉え、長期の視点に基づいた援助者と利用者の関係を軸に問題解決を図る方法です。ケースワーカーとクライエントとがやりとりしながら前進するプロセスであり,ワーカーとクライエントがともに行う一連の問題解決作業であるとしました。

 

クライエントの問題解決に取り組む力が欠陥や欠落して問題対処が難しくなっていると考え、クライエントが主体的に問題解決に対処できるように動機付けや問題解決能力を高め、問題解決の機会の利用を援助することがワーカーの役割です。

 

①クライエントへの問題解決の動機づけ、②問題解決するための技術を身につけるようにすること、そして、③身につけた技術を実際に使う機会を提供することであるとしています。

 

クライエントが取り組みやすいように目標や課題を部分化して具体的な行動のリハーサルをおこない、問題解決の成功体験を重ねることで自我機能の強化につなげます。

 

ケースワークの定義のなかで用いた相互に関連する四つの基本的構成要素を「4つのP」と言います。

 

この4つのPは『ケースワークの絶対的な構成要素』としてとても当たり前なことですが、この内のどれか1つでも欠ければケースワークが成り立たなくなってしまうという重要なものです。

 

4つのPとは人(person)、問題(problem)、場所(place)、過程(process)のことです。後に「二つのP」(Profession、Provision)を追加し、利用者自らが解決しようとする力をワーカビリティと呼びました。

その要素となるものを「動機づけ(Motivation)」、「能力(Capacity)」、「機会(Opportunity)」とし、その頭文字を取って「MCOモデル」というアプローチを生み出したのである。これが現在の社会福祉援助技術の基礎となっています。

 

デューイの合理的問題解決論(人間の学習過程は問題解決のプロセスである)が根底にあり、ミードらの役割理論やシンボリック相互作用論が取り入れられています。

 

課題中心アプローチや生活モデルに影響を与えました。

 

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課題中心アプローチ

提唱者:リード、エスプタイン

リード(Reid,W.)

課題中心ケースワークの提唱者の一人。心理社会的アプローチ、問題解決アプローチ、行動変容アプローチなどの影響を受けて、1970年代にエプスタインとともに、短期間の限定された期間において、クライエント自身が認識し、解決できる可能性がある具体的な生活課題が対象となった。計画性と短期性が特徴で、ソーシャルワーカーと利用者が契約の中で目標を定め、解決のための課題を設定し、限られた時間の中で取り組んでいく手法である課題中心アプローチを提唱した。

 

エプスタイン(Epstein,L.)

アメリカの社会福祉研究者。課題中心ケースワークの提唱者の一人。シカゴ大学でリードと共に実証的な研究を進め、短期処遇の利点を指摘した。この中で目標となる課題は具体的である必要性を訴え、その課題は話し合いの中で、クライエント(福祉サービス利用者)とともに選定されるものであり、最終的にクライエントとともに援助に関する評価を行い、課題達成できていない、あるいは新たな問題が生じた場合には、最初に戻って援助が再スタートする援助過程を提唱した。

 

問題解決アプローチを基礎に心理社会的アプローチ、行動変容アプローチ、危機介入アプローチなどを取り入れた折衷アプローチ、精神分析論、役割理論、学習理論、コミュニケーション理論が基盤となっています。クライエントの訴える問題を優先して、クライエントとともに課題を設定、遂行する援助方法です。

 

課題中心アプローチの特徴

従来のアプローチが長期的だったのに対して、課題中心アプローチは計画的短期性を特徴としています。

 

クライエントが自らの努力で解決できそうな具体的な生活課題を取り上げ、その解決に向けて取り組むべき課題を具体的な一連の行動として明確化します。そして援助期間を限定してクライエントがその課題に取り組むことを援助します。

 

1ターゲットとなる問題の明確化

 

2援助目標の設定と取り組み期間の契約

 

3具体的課題設定、実行、共有

 

4目標達成状況の確認、集結

 

3から4ヶ月で8から12回の面接が行われます。

 

 

 

 

 

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