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介護事例連載【第6回】住み慣れた家と認知症のGさん ~新生活の終わりと始まり~

time 2019/05/09

介護事例連載【第6回】住み慣れた家と認知症のGさん ~新生活の終わりと始まり~

日に日にFさんの顔はやつれ、自宅での徘徊や失禁を繰り返すようになりました。ひどい時には着の身着のままで自宅を出て行き、何度か警察のお世話になることもありました。以前のGさんからは考えらえない状態で、ホームとの連絡帳はお嫁さんの怒りと愚痴に満ち溢れていました。自宅内でのご家族とGさんの会話は全くなく、食事においては他人と相席になった時よりも気まずく辛気臭いとも書かれていました。

 

しかし、これはあくまでもご家族目線での話であり、Gさんにしてみればどこか分からない所に連れて来られた、息子さんやお嫁さん、お孫さんまでいるが、いちいち聞きに行くわけにもいかない。とりあえず外の様子はどうなっているのか確かめてみたものの迷子になってしまった。

 

徘徊というよりは自身の居場所が分からず彷徨っていた、失禁というよりはトイレの場所が分からず、かつ間に合わなかったというのが相応しいのかもしれません。そのことを伝えるのは「良かれと思ってやってあげた」改築を非難することに繋がります。いつしか、Gさんとご家族に自宅のことは暗黙のタブーのようになってしまいました。

 

そうこうしているうちに、お嫁さんからGさんをグループホームに入居させたいとの相談がありました。遅かれ早かれそうなる気はしていましたが、新生活が始まってまだ2カ月程度でした。

一般論としては、これ以上の環境変化による負荷は避けたほうが良いのでしょう。しかし、自宅であって自宅でない、居心地の悪い場所で過ごすくらいであれば、グループホームで生活する方がGさんにとって快適になるかもしれない。

 

実は最初からそれが目的だったのではないか、ご家族が費用を負担したかのようになっているが、Gさんのお金だったのではないか。私たちの中でワイドショーばりの邪推が飛び交いましたが、Gさんの状態が思わしくないことを不安視しているのは皆同じでした。

 

同法人でグループホームを運営していたので、早速そこの施設長に相談しました。ちょうど空室があったようで、いつでも来てほしいと快諾してくれたため、その方向で進めました。

 

ご家族は受け入れ側が待ったをかけるぐらいのスピードで手続きを進めていきます。

 

その最中にお嫁さんが漏らした「1日も早く出て行ってほしいんです」という一言に、全てが集約されていた気がしました。Gさんの新生活はあっという間に終わりを告げ、グループホームでの新生活へと移行しました。

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