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【第2回】認知症のAさんと何も知らない私 ~Aさんとのかかわり~

time 2017/12/25

【第2回】認知症のAさんと何も知らない私 ~Aさんとのかかわり~

そんなAさんとの関わりが始まりました。

 

Aさんは夜中に徘徊していることもあり、日中は傾眠がとても強いです。しかし、レクリエーションになるとほかの利用者と一緒になってその時間を楽しんでいました。認知症にはいくつかタイプがありますが、病前にしていた趣味などをすると良いという話を聞いたことがあり、Aさんにどんなことをしていたか質問をしてみました。するとAさんは「昔は、油絵などしたり編み物をしたりしていた」ということを聴くことができました。そこで私は、絵を描くことや塗り絵を一緒にすることにしました。するとAさんは、何も言わずペンを取り、絵を書き始めました。やはり昔絵を描いていたこともありとても絵が上手でその絵を見てほかの利用者の方々も「すごく上手やね」と声が聞こえて来ました。それを言われたAさんはとても嬉しそうな顔をしており、「他にない?」とやる気満々な表情で私に言ってきました。今までは傾眠しており特に自ら何かをするということがなかったAさんが別人のようにも見えました。

 

このこともあり、夜間の徘徊は落ち着くのではないかと思いましたが、夜間の徘徊はいつも通りでした。徘徊の理由はやはり「ご飯を食べていない。」でした。私はAさんに「お腹すきました?」と質問するとAさんは「お腹はね、空いていないけどね、ご飯の時に誰も誘ってくれないし私だけ仲間はずれだから」と言いました。Aさんは自分だけ蚊帳の外という不安があるのかなと私は思いました。その時は、「そんなことないですよ。Aさんはみんな一緒にご飯を美味しいって言いながら食べていましたよ。誰からも誘われないことが不安でしたら私がご飯の時に誘いに行きますね」と伝えるとAさんは「ほんと?お願いね。帰ろ」と居室へ帰って行きました。

 

この時、認知症の方が徘徊する理由はなんらかの不安などから起きるものなのかなと感じました。この日は、これ以外でAさんが徘徊することなく朝まで熟睡されていました。認知症の方は、関わり方や声かけの仕方が重要なのだということを実感した日でした。

 

しかしながら、翌日にAさんに「昨夜はあれからよく眠れましたか?」と質問するとAさんは「なんのこと?私はいつも夜21時にはベッドで寝て起きることなく朝まで寝ているよ。夜に出かけることもないしね。足が悪いから歩くこともできないよ」と言われました。昨夜の出来事やAさんが言ったことが嘘のような発言でした。また、当時Aさんは歩行車を利用して歩いていたのですが、自分が歩いているということですら忘れてしまう認知症という症状はとても不思議で、とても怖いものなのだと私はびっくりしました。

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