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【第4回】最期の場所をどうするか?決断できない家族 ~最期の場所~

time 2018/05/12

【第4回】最期の場所をどうするか?決断できない家族 ~最期の場所~

これには、少々面喰いました。そのようなことを施設職員が答えられるはずもありません。しかし、Mさんにとって重大なことだとわかっているからこそ、決断できないのでしょう。ご家族にしか決められないということは、長女様も当然ご理解されているものと思われました。

 

どう答えるべきか迷いましたが、私は長女様が決断できるための材料を提供するべきだと判断しました。

 

「今、こちらの先生が入院した場合にできる処置についてお話ししてくださいましたので、私からは施設に帰った場合のことをお伝えします。施設でも酸素吸入は可能ですが、最大5リットル程度の微量の酸素です。病院でしたら数10リットルの酸素投与が可能だと思いますので、その点は施設と違うと思います。また、点滴も行うことはできますが、栄養分の点滴は施設ではできません。水分のみです。そして夜間は医療職がいないため、針を留置することもできません。毎日針を抜き差ししなければならないことになります。これはつまり、苦痛を伴うということです。」

 

長女様は目を見開いたまま、私の話をじっと聞いていました。

 

「今、まだ3時過ぎです。今夜このまま施設に帰ることは施設としてももちろん可能ですが、その場合朝まで点滴は行えません。介護士は針を刺すことができませんので。酸素吸入はできますが、もしまた数値が下がってしまった場合に再度救急車を呼ばざるを得なくなります。」

 

“もちろん、その場合でも救急車を呼ばなくて良いと家族が決断するのであれば呼ばないこともできるが…”私の心の中ではそのような言葉が続いていましたが、口に出すのをやめました。今、最期の場所という話をされただけで途方に暮れている長女様にそのような決断ができるとは到底思えなかったからです。その決断は、つまり真っすぐ死に向かうことを意味するものだからです。

 

私の話を聞き、長女様はやはり押し黙ったままでした。

 

「あの、今先生は最期の場所をどうするか、ということを仰いましたけれど、別に今ここで決めたことが全てではないと思います。例えば今入院することを選んだとしても、その後やっぱり施設に戻りたいと思ってくださったらそれは可能です。その逆ももちろんできると思いますし…今のMさんにとってどうすることが一番良いのか、そのように考えてみてはいかがでしょうか?」

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