Majiriki

福祉、介護職、介護を頑張る人のトータルサポートサイト 社会福祉士 介護福祉士 精神保健福祉士

【第3回】最期の場所をどうするか?決断できない家族 ~どちらが良いか?~

time 2018/05/11

【第3回】最期の場所をどうするか?決断できない家族 ~どちらが良いか?~

看護師からは、すぐにご家族へ連絡をとり、ご希望されるのであれば救急搬送をするようにと指示が出ました。私はすぐにいつも面会にいらしている長女様へお電話をしました。少し長いコールの後、緊張した様子で長女様が電話に出ました。真夜中の電話ということで、何事かと身構えていたのかもしれません。

 

私が状況を伝えると、長女様はすぐにこう言いました。「救急搬送してください。」

 

その後、救急車が到着し、Mさんは近くの総合病院へ運び込まれました。長女様はすでに病院に着いており、救急車のドアが開くと心配そうに車内を覗き込みました。Mさんの意識レベルはそのとき大分下がっており、声をかけても返答がありませんでした。

 

すぐに検査が行われ、医師から病状の説明のためにご家族が呼ばれました。長女様が、「一緒に聞いてください。」と私に言ってくださったので、私も部屋に入りました。

 

「率直に申し上げますが、どこが悪いとか何が原因というものではなく、全身状態が非常に悪いです。高齢のため、心機能をはじめ、その他全身の臓器が正常に働かなくなってきていると言えます。これはもう、治療をするという段階ではないです。ご希望であればこのまま入院していただくこともできますが、はっきり言って入院されてもできることは限られています。現在、体内の酸素が上手く回っていない状態ですので、酸素吸入をしています。施設職員の方の話では最近食事があまりとれていなかったということで、やや脱水気味でもありましたので、点滴もしています。しかし今後できることもこのくらいです。このような処置は病院でなくても、施設でもできるのではないですか?逆に言えば、今夜このまま施設に帰っていただくことも可能だと思います。」

 

「入院することも施設に戻ることもできると…?どちらが良いのでしょうか?」長女様は困惑されたように医師に聞き返しました。

 

「医師として、治療できることはないのです。病院が良いのか施設が良いのか、これはMさんの最期の場所をどうするかというご決断だと思ってください。ですから、どちらが良いのかという問いにはご家族様しか答えられないと思います。」医師は優しく、しかしきっぱりとそう言いました。

 

「最期の場所…」

 

医師の話がショッキングだったためか、長女様はぽつりとそう呟いた後、黙り込んでしまいました。そして、少しの沈黙の後、隣に座る私に向き直り、こう聞いてきました。

 

「どっちが良いと思いますか?母にとって…。」

介護現場で使える 看取りケア便利帖 (現場で使える便利帖)

新品価格
¥1,944から
(2018/5/13 10:21時点)

死を前にした人に あなたは何ができますか?

新品価格
¥2,160から
(2018/5/13 10:22時点)

家族と迎える「平穏死」–「看取り」で迷ったとき、大切にしたい6つのこと

新品価格
¥1,512から
(2018/5/13 10:23時点)

sponsored link

down

コメントする






sponsored link