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【第5回】プライドの高い元お嬢様のBさん ~本当のBさん~

time 2019/03/07

【第5回】プライドの高い元お嬢様のBさん ~本当のBさん~

挨拶もほどほどに近況を報告し、Bさんが話した自身の身上について尋ねたところ、美香さんは大笑いしました。

 

実家が非常に裕福だったこと、ご主人は有名企業に勤めており早くにこの世を去ったところまでは事実だが、今はお金も底をつきかけており、それ以外の話はほぼ虚構。犬に至っては野良犬を拾ってきてよく父に怒られていた。

 

美香さんは大学はおろか、ピアノなんて弾いたことがない。高校を中退し、以降はダンス一筋、バイトをしながらお金を貯め、自身のスタジオを開設して子ども達にダンスを教えている。

 

実際のBさんは色々なトラブルに見舞われた苦労人の側面が強く、勝ち気でプライドは高かったが過去を誤魔化したり嘘をつくことはなく、逆境を笑いやエネルギーに変えて生きていた、とのことでした。

 

美香さんは時折ニヤニヤしながらも淡々と話しました。確かにBさんの言うことには辻褄の合わない部分が多かったですが、まさかここまでだったとは…。

 

美香さんは続けます。

 

母との関係については、毎週のホームパーティーどころか、本人から絶縁だと言われた。恐らくきっかけは様子のおかしい母を病院に連れて行き、皆の前で認知症の診断を言い渡されたこと。本人にとっては相当ショックで屈辱的だったようで、予定は忘れてしまうのにそのことだけはしっかり覚えており、電話をかけてもボロカスに言われるので接触を控えている。

 

恐らく母の話は「そうなりたかっけど、なれなかった」という悔しさや劣等感の裏返し。私は母を誇りに思うし、自分の生き方にも悔いはない。嘘をついたり見栄を張ったところで誰も喜ばないのにね。

 

病気は気の毒だけど、全ては本人がやってきたことの結果。私と合うのがストレスになるのであれば会わないし、できるところギリギリまで頑張ればいい。ただ、娘である以上、SOSがあれば絶対に飛んで行くし、協力は惜しまない。

 

薄情にも聞こえますが、美香さんにはそう感じさせない毅然とした風格がありました。理解できない言動に秘められた奥底の理由を考え、分析・理解するのは私たちの得意とするところです。特に家族はその辺りを頭では分かっていても冷静に俯瞰するのが難しいことが多いのですが、美香さんの見解は見事なもので、「仰る通りだと思います」としか言えませんでした。

 

念のためマンションの管理人さんにもBさんの状態とホームの関係を伝えて協力を呼びかけておくとのことで、対応をお願いし、その日は解散しました。

 

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