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【第3回】プライドの高い元お嬢様のBさん ~Bさんという女性~

time 2019/03/05

【第3回】プライドの高い元お嬢様のBさん ~Bさんという女性~

席に戻ると、神妙な顔付きでBさんが「お兄さん、認知症って知ってる?私、それらしいの。おかしいかな?」と話しました。当たり障りない返事しかできませんでしたが、Bさんとの距離が縮まった気がしました。

 

「別に寂しいとかあんたを信用したとかじゃなくて、雨の中可哀想だから入れてあげただけよ!」とのことでしたが、帰りはエントランスまで見送ってくれ、濡れた時用のタオルをカバンにねじ込んでくれると言うツンデレぶりでした。

 

ホームに戻った私はさながら英雄の扱いです。完全には掴みきれていないものの、大きな前進を実感しました。

 

次は借りたタオルの返却を理由に訪問します。インターフォン越しに「そんな汚い物、捨てればよかったのに!」と聞こえるやいなや、自動ドアが開きます。

 

結局この日も他愛のない話をして自宅を出たのですが、徐々にBさんのことが分かってきます。

 

生まれた頃からこの地域で暮らしており、実家は非常に裕福で、当時珍しかったアフガンハウンドという犬を2頭飼っていた。女子大を卒業後は教育委員会に勤めていた。有名企業に勤めるご主人と結婚、早くに先立たれるが女手一つで一人娘の美香さんを有名大学に通わせ、無事に卒業。彼女もまた一流企業に勤める男性と結婚し、高級住宅地の一軒家に住み、ピアニストとして活躍している。

 

娘夫婦は毎週来訪し、ホームパーティーをしている。Bさんは現在も車で大学に出向き、教育関連の講義をしている。と、絵に描いたようなエリートだったのです。

 

一度ホームに来てみないかとの問いかけに、Bさんは堰を切ったように話し始めます。

 

・高齢者の集まるデイサービスには行きたくない。同じと思われたくないし、世代も合わない。

 

・皆で集まってつまらないお遊戯やゲームに付き合わされるのはまっぴら。

 

・自分はまだまだ能力がある。仕事先があるなら働きたいぐらいだ。

 

・介護してもらう人、気の毒な人と思われたくない。

 

かなりトゲのある表現ですが、一理あると思える部分もありました。

 

そこで、嫌ならすぐに帰ってもよいこと・利用者ではなくボランティアという立場での通所であることを条件に来所を打診したところ、まんざらでもない様子でした。

 

ちょうど週末だったこともあり、次の月曜から通所をスタートすることになりました。Bさんは使い古された手帳に、事業所名と時間を書き込みます。

 

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