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【第2回】プライドの高い元お嬢様のBさん ~初対面~

time 2019/03/04

【第2回】プライドの高い元お嬢様のBさん ~初対面~

まずは接触と様子伺いのため、毎日の訪問を実施することにしました。Bさんの自宅はホームから自転車で5分ぐらいの場所にあるオートロック付きのマンションで、セキュリティは万全。

 

事業所の名前を言うだけで「お引き取り下さい!」と言われ、エントランスにも入れない日々が続きます。管理人のオジサンにも不審な目で見られるようになり、まるで粘り強い営業マンの様相です。

 

一向に事態が動かないため、面談アポを取り付けることにしました。こちらもまた苦情受付センターの如く、毎回拒否とお説教の嵐です。

 

対応するスタッフを変えたりして訪問と電話を交互に繰り返しますが、本人の顔すら見られない日が続きました。

 

ある時、大型の台風が接近した日に事態が動きました。ひどい風雨の中、いつも通り訪問しインターフォンを押すと、「どうぞ」と自動ドアが開きました。正直入れないと思っていたので予想外の出来事に少し動揺しましたが、またとないチャンスを逃すわけにはいきません。

 

エレベーターに乗り、Bさんが住む階に向かいます。扉の向こうに小奇麗な初老の女性が立っています。軽く会釈をしてすれ違おうとすると、「〇〇(事業所名)さん?」と尋ねられます。Bさんとの初めての顔合わせでした。

 

名刺を渡す暇もなく、「私の家はこっち」と案内されます。ロングヘア―に長身、部屋着であろうスウェットもスポーツブランド。少し白髪は混じっているものの、現役で働いていてもおかしくないぐらいのキリッとした風格。普段ホームで見かける利用者層とは明らかに毛色が違います。

 

自宅内はシンプルかつ整然としており、リビングの大きなテレビでワイドショーが流れています。その横の椅子に座るよう促され、着席します。挨拶と自己紹介をしながら室内の様子を見る限り、訪問での支援が必要そうな部分は特に見当たりません。

 

ただ、「〇〇(Bさんの名前)、認知症に負けるな!」「~すること!」と書かれた紙があちこちに貼られており、認知症と戦っていること、スケジュールを忘れまいと頑張っていることが窺い知れました。

 

「こんな大変な中、押し売りみたいに現れて、恥ずかしくないの?!」苦情受付センターの時に聞いた例の声・口調を生で聴きます。お説教を垂れながらも手際よくコーヒーを入れ、私の前に置いてくれます。続けざまに、柔軟剤の香りのするバスタオルを手渡されます。

 

かなりの話好きのようで、自身の生い立ちから娘の美香さん(仮名)、昔飼っていた犬の話に至るまで、止まることを知りませんでした。

 

せいぜい30~40分程度で戻る予定だったので、遅くなりそうだと事業所に連絡を入れるため一旦その場を離れます。電話越しにスタッフたちが「マジっすか!」と騒いでるのが聞こえました。

 

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