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【第2回】仕事が生き甲斐だった元国家公務員のAさん ~Aさんとの生活~

time 2019/02/25

【第2回】仕事が生き甲斐だった元国家公務員のAさん ~Aさんとの生活~

朝の会は全体の引継ぎ・暇つぶしの工作は広報準備・風船バレーは親睦スポーツ会等、Aさんにとってはどのようなことも仕事の一環です。私は秘書としてそれらの活動への参加を勧め、サポートしたのです。誰が見てもつまらないと思われそうなイベントであっても、Aさんは秘書の進言によりその場の主導権を握り、ノリノリで参加し、場を盛り上げてくれるのです。

 

Aさんは元気で身の回りのことは自分でできるため、関わりのほとんどは仕事絡みの混乱モードになった時の話し相手です。介助らしい介助と言えば入浴の時に背中を洗う手伝いをする程度でした。

 

私の父は早くに他界しましたが、仕事をせずに酒を飲んで博打をするような人物でした。Aさんとは全く違う人種でしたが、入浴介助をしていると、何故か父の背中を流しているような気持ちになりました。

 

Aさんは「お前だけ服を着てないで、一緒に入ろう!俺も背中を流してやるよ」と言うのが定番なのですが、心地よいやりとりなのです。通常であれば、入浴介助は暑い・気を遣う・危険と、やりたくない仕事の上位でしたが、Aさんの介助は負担に感じませんでした。

 

Aさんは、食事の準備をしていると調理場周辺をウロウロし始め、ろくにできもしないのに味付けや盛り付けにあれこれと指示を出します。「じゃあお手伝い願います」とキャラクターの描かれたピンクの調理用エプロンを渡すと、迷わず着用してくれます。結局、つまみ食いのチャンスを窺いながらウロウロしているだけなのですが・・・。

 

概ね配膳が済むと「皆様、お揃いでしょうか!足らず等がございましたら挙手を願います!」と皆に声をかけ、食事が始まる感の演出に一役買います。「またハゲが仕切ってる」「毎日飽きずによくやるもんだ」と言われてもAさんは臆する様子を見せず、そうやって陰口を叩いている入居者もその音頭取りを待っているという構図ができ上がっていました。

 

夜になりパジャマに着替えると時折スケベスイッチが入り、知的かつウィットに富んだ下ネタで私たち男性スタッフを楽しませてくれます。しかし、あまりに過激な下ネタには難色を示し、急に紳士的に振る舞うのもお約束のパターンでした。女性職員の中には気持ち悪がる者もいましたが、便乗してAさんをからかってその場を楽しめる職員がほとんどでした。

 

結局のところ、混乱が生じない限り、Aさんはただの定年退職したオッサンなのです。私は秘書であると同時に一人の男性として、戦争の話・仕事の話・車の話・水商売のお姉さんの話等、Aさんから色々なことを教わりました。

 

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