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介護事例連載【第6回】このままで良いHさん ~穏やかに~

time 2019/05/06

介護事例連載【第6回】このままで良いHさん ~穏やかに~

数日前から酷い寒さが続き、その日は雪が積もっていました。私の住む地域では滅多に雪が降らず、不慣れのためかあちこちで交通機関の遅延が発生し、スタッフがまばらに出勤してくる状態でした。

 

当日のHさんの訪問担当は例の新人スタッフだったのですが、自宅が遠方だったこともあり、出社に苦労していると連絡が入りました。

 

仕方なく代わりのスタッフを訪問に出します。雪で転ばないように声をかけると、「転んだら労災で1カ月入院するからね~!」と冗談を言いながら出発しました。

 

15分ぐらい経ち、訪問に出たスタッフから連絡が入ります。「労災か?!」と他のスタッフとふざけながら電話に出ると、「Hさんが、多分、亡くなってる」と。フロアに緊張感が走りましたが、ゾロゾロ出て行って解決する問題ではありません。訪問スタッフにひとまずの指示を出し、私も現場に急行します。

 

現地には消防と警察が来ており、Hさん宅の周囲は物騒な黄色テープで結界が張られ、野次馬が集まっていました。

 

地域ケア会議の時に的外れな意見で場を盛り上げてくれた近所のオバサンもその中に加わっており、あれこれ話したがっているのを警察官に遮られていました。第一発見者のスタッフが現場検証に立ち会っており、私も身分を明かして中に入ろうとしましたが、近所のオバサンと同じ扱いを受けてしまいます。

 

発見したのはベテランヘルパーだったため、私があれこれ言わなくともそつなく対応していたようで、的確な対応に消防や警察、地域包括の職員から称賛されていました。

 

後に聞いた話では、Hさんは1~2日前に自宅で死亡していたであろうとのことでした。事件性はなく、恐らく脳梗塞か心筋梗塞あたりが死因。夏場であれば随分酷いことになっていたが、ここ数日間は異常な寒さが続いており、ある意味では惨事に至らなかった。

 

発見したスタッフによれば、Hさんは和室の壁にもたれ、眠るように冷たくなっていたそうです。Hさんを見た瞬間、直感的にヤバいと思ったものの、私たちが見たことのない穏やかな表情に、焦りや悲しみよりも安心感を覚えたと話しました。

 

「ベテランヘルパーの肝」といったところでしょうか。当初の予定通りに新人スタッフが訪問していれば、色々な意味で大変なことになっていたかもしれません。

 

ちなみに、別の利用者宅に訪問した新人スタッフは移動中に自転車で転倒して膝を擦り剥きましたが、労災申請せずに事業所の看護師に消毒してもらい、バンドエイドで処置を済ませていました。

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