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介護事例連載【第5回】このままで良いHさん ~かくれんぼ~

time 2019/05/06

介護事例連載【第5回】このままで良いHさん ~かくれんぼ~

スタッフ間で情報を共有したところ、多数の「あのお婆さん?!」という声が上がりました。今まで特に話題になることはありませんでしたが、各々にHさんのことは認識していたことが明らかになりました。どのような人なのかが分かっていれば話は早い。さすがに帰宅途中やプライベートに発見した場合等はスルーでよいですが、自宅への訪問に加え、それ以外のタイミングで見かけた際は来所を促すことになりました。

 

サービス利用開始(?)から早2週間、自宅訪問での接触回数はゼロ。これだけ目撃者がいるのだから、すぐに来所に繋げられるだろうと最初は高を括っていました。私も他利用者の訪問等のついでにHさんを探しますが、こんな時に限って誰一人として彼女に接触できないのです。一方、彼氏とのデート中に隣町で見かけた、夜勤明けに事業所の最寄駅近くで見かけたが、連れて戻る元気がなかった等、意図的に私たちの動けない(動かない)タイミングで遭遇するように行動しているのではないかと思うぐらいにすれ違いが続きます。

 

地域包括のAさんらも動いてくれており、在宅中の接触には成功したものの、通所に繋げるには至らずで、それ以外の時間は今まで以上に行動パターンが掴めなくなったと話していました。

 

利用意思のない利用者とのかくれんぼ。色々な意味で、この状態が続くのは良くないと再び感じ始めました。

 

その矢先、自宅に訪問した新人スタッフから事業所に電話が入ります。「Hさんが家にいたので、一緒に戻りますね」彼女は専門学校を卒業したての女の子。私のように業界の酸いも甘いもを知って心の荒んだ輩とは違い、純粋かつ無欲だったのでしょう。

 

皆でHさんらの到着を野次馬のように窓から覗き込みます。彼女は何やら楽しそうにHさんと話をしながら、トコトコと事業所に戻ってきました。

 

Hさんが事業所に入った瞬間、無言でクンクンと臭いを嗅ぐ利用者、空気を読まず臭い臭いと騒ぎ立てる利用者等、予期せぬ事態が起こった際にどのような反応をするかのテストが始まった様相でした。

 

Hさんは食事をあっさりと平らげたため、流れで同性スタッフが入浴も試みましたが見事に撃沈。事業所に嫌なイメージが付いてはいけないとの配慮で、ひとまずその日は機嫌よく帰ってもらうことにしました。

 

その後もHさんは姿をくらませる状態が続いていましたが、新人スタッフが訪問すると何故か自宅にいることが多く、不定期での通所が実現されるようになりました。彼女にとってはそれが自信に繋がったようで、今まで以上に真面目に前向きに仕事に励んでくれるようになりました。

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