Majiriki

福祉、介護職、介護を頑張る人のトータルサポートサイト 社会福祉士 介護福祉士 精神保健福祉士 保育士

介護事例連載【第3回】このままで良いHさん ~利用意思のない利用者~

time 2019/05/05

介護事例連載【第3回】このままで良いHさん ~利用意思のない利用者~

最新の状況は分かりませんが、当時の小規模多機能ホームの運営基準として、「週に4回程度は通所サービスを利用することが望まれる」という旨の文言がありました。そもそも所在の掴めないHさんにつき、利用契約を結べるのか、通所回数等の運営基準を満たすことができるのかといった問題が早くも浮上します。

 

Aさんに相談したところ、Hさんをみつけたらすぐに地域包括支援センターで保護するので、その時に契約の手続きに来てほしいという強引な答えでした。利用回数についてはすぐに所轄の部署に事情を説明して話を通してくれ、「Hさんの場合はアプローチすることが大切なので、実施内容の詳細を適正に記録しておけば大目に見る」とのお墨付きを得られました。

 

ついでに追加の詳細情報も手に入ったため、目を通します。何故かお金には不自由していないようで、家賃や水光熱費等の滞納はない。30年以上現在の自宅に住んでいるが近所付き合いは皆無。一方でトラブルを起こすこともなく飄々と自分のペースで生活を続けており、ホームレスのような風貌とルーティーンは今に始まったことではない。

 

結婚歴はなく、身寄りの有無も不明。精神疾患や認知症の類ではないかと本人の身を案じた近隣住民からの通報が相次ぎ、各種行政機関の介入が始まった。特に金銭トラブル等もないものの、社会福祉協議会が辛うじて本人の同意を取り付け、金銭管理等を行っている。

 

ショートステイ先では特に介助の必要性はないものの「私はこのままでいいの!」と入浴を強く拒否し、ここから出してほしい等の訴えが続いて大変だった。自宅に鍵はあるものの施錠の習慣がないようで、訪問して反応がなければ不在、在宅していれば返事があるという具合。といったことが書かれていました。

 

私は、契約や通所回数以前に、本当にサービス利用の必要性があるのか、Hさんの生活に全く問題がないとは言えませんが、誰にも迷惑をかけていないし、周りが騒いでいるだけではないのか。人格やケアマネージャーとしての資質を疑われるかもしれませんが、そのような気がしてなりませんでした。

 

そんな葛藤を抱いている最中、狙ったかのようにAさんから電話が入ります。「Hさんを掴まえたから、早くセンターに来て!」まるで珍獣を捉えたかのような言い方でしたが、ちょうど手が空いていたこともあり、契約書を持ってHさんの元に向かいます。顔を見たことはあるものの、Hさんと話をするのはこの日が初めてです。

sponsored link

down

コメントする






sponsored link