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【第5回】どうしても家に帰りたいけれど、家族・地域住民の支援が得られないAさんへの支援 ~すれ違う方向性と地域資源の獲得への動き出し~

time 2017/05/08

【第5回】どうしても家に帰りたいけれど、家族・地域住民の支援が得られないAさんへの支援 ~すれ違う方向性と地域資源の獲得への動き出し~

入院1か月半が過ぎ、当院としての結論を主治医より、本人へICを実施しました。

 

「自宅での生活は今の身体機能や判断力では難しくありませんか?」、「支援者が常駐している生活場所にうつるタイミングではないでしょうか?」と主治医から説明するも、「自宅に帰れば生活はできる。」、「今までもずっと自宅でやってきた」と押し問答の繰り返しです。

 

複数回、ICを実施しておりますが、各回同様のやり取りで進捗もありません。成年後見制度の利用も提示しますが、自分のお金を誰かに管理されたくないと全く向き合ってもいただけません。

 

そこで、ソーシャルワーカーは本人の許可を得て、近所に住んでいた民生委員のS氏へ連絡を取ることとします。民生委員からは、「しばらく姿が見えなかったから、どうなっているのか心配していた。」、「本人の性格上、自宅に帰るというと思っている。」、「町内会では、ずっと本人の独居は無理だと話をしていたが、本人は頑なに生活場所を変える気がなかった。」、「町内会として、支援の手を何度も差し伸べていたが、本人が拒否をして、いずれは誰も関わらなくなった。」といった内容を伺うことができました。

 

今回の小火も初めてではなく、過去にも複数回あったようで、地域住民は「もし火事になったら」、「孤独死していたら」と日々不安であったとのことです。また、最後には「本人の気持ちは十分わかるが、どうか自宅以外の生活場所への退院を希望します。」と語られておりました。

 

正直、MSWとしてどう導くべきか、本当に悩みました。

 

本人は孤独死も覚悟の上での発言でしたが、では実際にそうなってしまった場合、誰がどう対応するのか。他者に迷惑がかかるような災害が起こった場合のことや、何かしらの事件や事故にあう可能性も十分考えられます。本人以外の誰もが、「自宅以外の生活場所」を望んでいるのです。本人に決定権があるのは当然ですが、認知機能や判断能力の低下が認められる方の意向をどこまで進めるべきか。

 

MSWだけではなく、担当スタッフ間で何度もカンファレンスを実施致しました。老健や療養病棟へ移ることも視野にいれましたが、根本的な解決にはならず、また、入院・入所期間が長くなることで、生活保護制度上、自宅の引き渡しになってしまう可能性があったため、限られた期間で判断しなければいけない状況でした。

 

【第6回】どうしても家に帰りたいけれど、家族・地域住民の支援が得られないAさんへの支援 ~本人の意にそぐわない決定事項~

【第4回】どうしても家に帰りたいけれど、家族・地域住民の支援が得られないAさんへの支援 ~リハビリと認知機能、そしてチームとしての方向性提示~

 

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