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保育事例連載【第6回】家庭環境と障害と保育~私の葛藤〜

time 2019/05/25

保育事例連載【第6回】家庭環境と障害と保育~私の葛藤〜

N君と出会ったのが、私が保育士になって5年目の時でした。当時はまだ結婚していなかったので、子育ての経験はありませんでした。知識としては、5年間の経験と、学んできた知識だけでした。5年の間に、自閉症の子や、言葉が遅い子、生まれつきの病気がある子など、様々な子どもに出会ってきました。

 

私が2年目の時に担当した子に、アスペルガー症候群かもしれないと言われた子がいました。当時、アスペルガー症候群という言葉は出始めた時で、メディアでも大きく取り上げられるようになっていました。

 

その子は、とにかくじっとしていられない子で、自傷行為や危険なことばかりする子でした。他のお友達に興味がなく、いつも一人遊びをして、思い通りにならないと癇癪を起こしていました。そしてお気に入りの毛布を、ずっと持って生活していました。

 

園長からの指示で、通院するよう伝えると、まだ3歳だからもう少し様子を見るようにとの事でしたが、アスペルガー症候群のグレーゾーンだという診断でした。結論から言うと、その子は、やはりアスペルガー症候群でした。小学生になってから診断されたようです。

 

私の頭の中で、N君はアスペルガー症候群かもしれない…と一瞬頭をよぎりましたが、家庭環境が原因なのかもしれないという気持ちもありました。アスペルガー症候群について色々調べたり、実際に講演を聞きに行ったりしました。

 

アスペルガー症候群は、遺伝要因の他、家庭環境にも影響される可能性があるという事を聞きました。N君の過去は、すごく小さい心にダメージが強かったのだと思いました。父親という存在が、N君にどう映ったのか…突然いなくなってしまった事も一つの原因なのか…またはたくさん甘えたい時期に、母親は家事と育児に追われ、十分に母親に甘えられない事も原因なのか、色々な事が思い浮かんでいました。

 

また、当時、メディアが、子どもの脳に影響を与えるというニュースがあったのです。テレビをずっと見ている子は、イライラする、感情の表現が下手になるなど色々言われてきました。まさにN君の生活環境と一致していました。だから常にイライラし、キレやすいのではないか…一致する点が多くありました。

 

N君は、アスペルガー症候群なのか、それとも今までの家庭環境が原因なのか、保育の現場で、事例検討の1つとして話をした事がありました。園長は、母親に状況を伝え、病院を一度受診するよう勧めました。母親の話を聞いてから、なかなか受診を勧める言葉をかけることができずにいましたが、年長になる時に、母親に受診の話をしました。母親は、「家で色々我慢している分、保育園で爆発させているのかもしれません」と言っていました。

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