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保育事例連載【第3回】家庭環境と障害と保育~N君の好きな事探し〜

time 2019/05/24

保育事例連載【第3回】家庭環境と障害と保育~N君の好きな事探し〜

なかなか生活に慣れないN君が、興味を持つ遊びはなんだろうと、日々考えながら、色々変えて関わっていきました。

 

年中児になると、集団遊びや集団での製作活動が増えますが、N君は全く参加しません。「うるせー!めんどくせー!」が口癖で、誘ってもウロウロとどこかに行ってしまいます。集団遊び中は、お友達の様子をじっと見ているので、興味がないわけではないのでしょうが、頑固なところもあるのです。

 

製作活動では、1対1だと少しだけ活動に参加できました。絵を描く事が好きなようですが、いつも暗い色ばかり使い、顔を描くと、発達年齢より低いレベルの、頭に手足がついた顔を描いていました。描くものも、ゲームのキャラクターや空想の生物ばかりで、花を見て描くことなどはできませんでした。そして途中で、うまく思い通りに描けなくなってくると、癇癪をおこして、どこかにいなくなります。

 

また、のりやはさみを使う製作活動の時は、必ず側につかないと、危ない事もありました。はさみを隣のお友達に向けて、髪を切ろうとしたのです。実際に、家で自分の髪を、はさみで切ってきたことがありました。母親は全く気付かなかったようで、「いつの間にかこんな事になっていました」と登園時に話をしたこともありました。保育中にそのような事があっては、大変な事になるので、目を離さないように、気を付けました。

 

几帳面な部分もあり、折り紙の製作活動では、1対1で関わると、最後まで、きちんと丁寧に作っていました。

 

外遊びは好きなようで、虫探しに夢中です。運動神経が良かったので、鉄棒やうんていにもチャレンジしていました。園内で遊ぶよりも、気分がリフレッシュするのか、口数も増えて、笑顔も見られます。虫を見つけると、虫博士のように説明をしてくれました。そこで、「N君が好きな虫を、虫カゴに入れて、園内で観察できるようにしよう」と言うと、「なかなかいい事言うじゃないか」と笑顔になったN君。少し距離が縮まった瞬間でした。

 

N君が見つけたカブト虫の幼虫は、虫カゴに入れて、クラスの棚に置きました。そして、カブト虫はどうなって大きくなるのか、図鑑を見ながら大きい紙に描いていきました。いつもすぐ飽きるN君ですが、ずっと集中して描いていました。完成したものを虫カゴの近くの壁に貼りました。すると周りの子も集まってきて、N君に色々虫の事を聞きにきたのです。N君は、少し照れながらも虫博士になりきって話をしていました。はじめてお友達と打ち解けて話をしている姿は、今でも印象に残っています。

 

その後は、サワガニを飼ってみたり、カメを飼ってみたり、N君がお友達の中に自然にとけこめるように、色々な生き物を飼って、N君と図鑑で調べて、絵を描いて貼りました。N君は、生き物のお世話をしっかりしてくれました。責任感が強い性格で、生き物を大切にできる優しい所もありました。そんなN君は、お友達から「生き物博士」と呼ばれるようになり、少しずつクラスの仲間として受け入れられるようになってきました。

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