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介護事例連載【第5回】Fさんの娘との闘い ~変わらない娘さん~

time 2019/04/30

介護事例連載【第5回】Fさんの娘との闘い ~変わらない娘さん~

Fさんは疎外感や居心地の悪さを覚えるとウロウロし始めることが分かってきました。会話の輪に入れない、他の入居者から非難された時などです。そのような状況にならないよう、本人だけでなく、他の入居者との関わり方にも配慮します。

 

着席している=落ち着いているというのは短絡的ですし、歩く気力を失っているだけではないかと娘さんは相変わらずの言い草ですが、明らかにFさんが自席で過ごす時間が増えてきました。

 

そんな矢先、ホーム内で風邪が蔓延し、Fさんも寝込んでしまいます。Fさんの主治医はサプリメントを大量処方する医師でしたが、認知症治療の妨げになる可能性があるとの理由で、日常的な体調管理にはあまり力を入れていなかったようです。

 

そうこうしているうちにFさんは高熱を出し、てんかん発作のような症状が起こりました。夜遅くだったこともあって主治医は連絡が取れず、救急搬送となりました。

 

娘さんに状況報告したところ、とりあえず受け入れてくれるところを探して下さいとのことだったので、頼りにしている提携医療機関の先生に頼んだところ、「ああ、あの家族がややこしそうなところか。一刻を争うならほっとけないだろ。」と受け入れてくれました。

 

搬送先で娘さんと合流します。血相が変わっていましたが、命に別状がなかったことをきいて安堵した様子でした。私も同席し、先生に状況を報告します。病院から普段飲んでいる薬を見せてほしいと言われるや否や、娘さんがドヤ顔でいつものサプリメントについて語り始めました。

 

「そんな民間療法の話は聞いちゃいない。普段飲んでいる薬は?」

 

娘さんの話を遮るように聞きました。詳しいことはよく分かりませんでしたが、検査データを見る限り、治療レベルの異常が色々と見つかったようです。

 

「どのような根拠でやっているのか知らないが、肝心の病気はほったらかしで大量に意味の分からない物を飲ませて、苦痛を与えていると思わないのか。人の弱みに付け込んだ悪どい商売、患者をモルモットか何かと勘違いしているんじゃないか。ちゃんとした治療を受けずにこれを引き続き飲ませろというのなら、応急処置だけするからさっさと帰ってくれ」

 

毒舌がたまにキズでしたが、医師としての誇りが高く、患者を第一に考えてくれる熱血漢。私たちの気持ちを代弁してくれた気がしました。娘さんには効果がなく、逆上して連れ帰るだろうなと思っていましたが、さすがに今回ばかりは命の危険を感じたのか、神妙な顔つきで話を聞いていました。

 

サプリメントは一旦中断して「一般的」な治療を受け、Fさんはすぐに回復し、ホームに戻ってきました。このままサプリメントがなくなるのではないかと淡い期待を抱きましたが、娘さんの意向と本来の主治医の指示で再開となりました。

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