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【第4回】介護の仕事とは?~世界を広げたい~

time 2018/09/05

【第4回】介護の仕事とは?~世界を広げたい~

あるとき、Eさんからこんな訴えがありました。「僕の部屋に、インターネットをひくことはできるかな?」

 

施設の設備に関わるので、介護職員から即答はできません。相談員や上司にも相談することになりました。

 

Eさんはよくテレビを見ていたのでインターネットの存在は知っており、それがあれば自分の世界はとても広がるのではないかと考えたのです。Eさんのパソコンは文書を作成することなどができるだけで、インターネットには繋がっていませんでした。

 

そのとき入所していた方の中でインターネットを引いている人はいませんでした。施設が開設してから歴代の入所者を思い返してもそのような方は一人もおらず、今まで検討したこともないことでした。

 

そのため、相談員や上司からもすぐに可能かどうかの返答が来ず、環境を整えるためには工事が必要となるのか、そもそも一人の入所者のために施設は工事を許可するのか、いろいろなことを確認する必要があったようです。

 

上司から返答が来ないまま、同じユニットを担当する介護職員同士で話をする機会がありました。私はその頃4年目を迎えており、一緒に話していたのは更に先輩のユニットリーダーでAさんいう女性と、1年目の後輩職員でKさんという男性でした。

 

Kさんはその頃Eさんとの信頼関係がまだ上手く築けておらず、何度も怒られたり、ときにはKさんも腹を立て、Eさんとぶつかることがありました。

 

そんなKさんが、このインターネットの件について、このように言いました。「なんだか日頃からいろいろなことをやっていますけど、今度はインターネットを引きたいそうですね。実際にインターネットなんて引かれたら、最初のうちは設定だったりやり方を教えたりで、職員がつきっきりになってしまいますよ。そんなことになったら僕たちの本来の仕事ができませんから、困りますよね。」

 

私はこれを聞いて、少し驚きました。そして、「Kさんの言う、『僕たちの本来の仕事』って何?」と聞きました。

 

するとKさんは数秒考えた後、「食事と排泄と入浴の手伝いをすることです。」と答えました。

 

「違うでしょう。」と私が言うより先に、ユニットリーダーのAさんがこう言いました。「それは、確かに一番基本的で重要な介護の仕事だね。」

 

Aさんは穏やかに、しかしはっきりと言葉を紡いでいきました。「でも、それだけではないんじゃないかな。Kくんは、毎日食事が提供されて、トイレにも行きたいときに行けて、定期的に入浴をして清潔が保持されていたら、幸せ?」

 

「いや、そんなのは当たり前なので…。幸せというのは、もっと違うものだと思います。」Kさんはそう答えました。

 

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