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【第2回】介護の仕事とは? ~人間として~

time 2018/09/03

【第2回】介護の仕事とは? ~人間として~

Eさんは食事、排泄、入浴などは全て介助を必要としました。以前は食堂で他の利用者さんと一緒に食事をとっていたそうですが、身体の動かない姿を人に見られるのが嫌で、いつしか部屋で食事をとるようになったそうです。そのため、Eさんの世界は8帖ほどの自分の部屋の中で完結していました。

 

特養は「終の棲家」と呼ばれることもあり、生活の全てに介助を必要とする方は少なくありませんでした。寝たきりの方は何人もいましたが、他の方々とEさんの異なる点は、認知状態でした。

 

「寝たきり」であることの原因は人によって様々ですが、私が接したことのある寝たきりの利用者のほとんどは、重度の認知症も患っていました。Eさんはその中で唯一、認知症が全くなく、身体だけが動かないという状態でした。

 

想像に難くないですが、これはとても辛いことです。意識はしっかりあるのに、身体はほとんど全く動かないのです。足が痒くても自分で掻くことができませんし、鼻をかむときにも誰かにティッシュをあてていてもらわなければ、一人ではできません。

 

Eさんがこの状態になってからすでに20年近くの月日が流れていましたが、それでもEさんは時々身体が動かないことに涙を流したり、自分の意思がうまく伝わらないもどかしさから錯乱状態になることもありました。

 

初めのうち、私はEさんの介助をする度に緊張していました。覚えきれないほどのルールや、慣れない文字盤でのコミュニケーションに戸惑いながら、どうにか少しずつ信頼関係を築いていくことができました。Eさんには感情失禁という後遺症もあり、その影響で対応がうまくできない職員に激怒することが度々ありました。そのため、私はEさんを怒らせてしまうことのないように、と神経を研ぎ澄ませながら日々接していました。

 

しかし、Eさんはとても優しい人でした。こちらがEさんの声に耳を傾け、Eさんが何を求めているのかを知ろうとする姿勢を忘れなければ、たとえ文字盤がうまく読めなくとも、ルール通りの対応ができなくとも、怒ることはありませんでした。

 

Eさんが怒るのは、職員が「Eさん本人が求めること」をうまく汲み取れず、確認もしないまま「職員がそうした方がいいと思うこと」をしたときでした。

 

「僕は、人間として接してほしいだけなんだ。」あるとき、Eさんはそう言いました。私が入職して1年半が経った頃、新人職員がEさんを怒らせてしまい、私がフォローに入ったときに出た言葉でした。

 

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