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【第2回】 ボランティアさんのやる気、どう維持させる? ~Fさんからのお問い合わせ~

その点については講義の最初にご説明をしていたため、その後実際に活動がなくても受講者の方々から問い合わせを受けることはありませんでした。しかし、全てのカリキュラムを終えてから1ヶ月ほど経った頃、Fさんから一本の電話が入りました。とても興奮している様子でした。

 

「あのさ、その後一か月音沙汰がないけど、どういうことなの!?今後の予定はどうなってるの?」そう聞かれたため、再度ご説明をしました。

 

「講義の際にも申し上げたことですが、今現在は担い手となっていただいた方々にすぐご紹介できる活動があるわけではありません。また、基本的にこの活動は何か生活する上で困りごとがあるというご相談が入ったときに担い手の方々へご連絡を入れさせていただくというものなので、活動は不定期です。そのため今後の予定を申し上げることはできないのですが…。ご説明が不十分だったようで、申し訳ありませんでした。」

 

「なんかさぁ、テレビとかで介護人材の不足だとか孤独死とかいろいろ耳に入ってくるから、困っている人がさぞ沢山いるんだろうと思ったのに。僕は年寄りだけど、それでも何かできることがあればと思って講座を受けたんだけど、じゃあ実際需要はないということですね!」

 

一気にまくしたてるように話され、そのまま電話が切れてしまいました。

 

そういうことではないんだけどな…と思いつつ、Fさんの気持ちもとてもよくわかりました。上司も交え、係の者でこの電話の内容について話し合うことにしました。

 

Fさんは、「人のために何かしたい」という想いがとても強いのです。そのために講座を受講したので、担い手としての資格を得たら次のステップに進みたいという気持ちがあり、実際の活動の話が入ってこないことに不満を感じてしまうのでしょう。その気持ちはわからないわけではありませんでした。しかし、ボランティアというものは仕事ではないので、そのような熱意で突き進むと途中で燃え尽きてしまうことも少なくありません。自分の生活に支障を来さない範囲でゆるく長く続けられるボランティアが、結果的は相手のためにもなります。

 

担い手としての活動は依頼がないことには動き出せないため、今はどうすることもできませんでした。

 

「まぁそれじゃ納得できないだろうし、確かに他の受講者さんもせっかく講座を受けたのにその後何もないんじゃモチベーションも下がってしまうだろうから、地域のサロン作りを手伝ってもらうのはどうかな?」そう提案したのは直属の上司でした。

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