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【第7回】注文の多い利用者Dさんと仕事のできる介護職員のXさん ~悪者は誰だ?!~

time 2019/04/04

【第7回】注文の多い利用者Dさんと仕事のできる介護職員のXさん ~悪者は誰だ?!~

会議では、今後どうしていくかという対策が十分に検討され、「虐待防止委員会」が発足されました。定期的に検討会が開催されて会報も発行されるようになり、事業所としての禊を済ませて新しいスタートを切ったのです。

 

私を含むスタッフは皆安堵し、以前のように雰囲気の良いフロアに戻りました。事件のインパクトはは段々と薄くなり、Dさんをはじめとする被害に遭った入居者の身を案じるような話はほとんどなく、そのことに対して違和感や異議を唱えたり、薄情なのではないかと罪悪感を持っている様子の者は誰一人いませんでした。「これが現実なんだな」「机上の空論ではどうしようもないことがあるんだな」と実感しました。

 

このような事態が起こると、まず悪者は誰だという話になります。大好きなお祖母さんが同じ目に遭っていたら、どんな気持ちになるだろうか。Dさんはそれを考える道徳心や判断力さえない卑劣な人間、鬼畜の所業。今回の件で言えば悪者はXさんということになりそうですが、それを確定したところで根本は解決するのでしょうか。

 

Xさんが異常者だと片づけてしまうのは簡単ですが、それだけではない、様々な要素が絡み合って起こったものではないか。さらに言えば、一歩間違えれば誰しもが間違えば加害者になっていたかもしれない状況にあったのではないかと思うのです。

 

これは私個人や勤めていた施設だけの話ではなく業界全体の話で、付け焼き刃の対策、意識の変革だけでどうこうできる問題ではないのかもしれません。対策はあれこれ議論されていますが、未だに決定的な解決策が見つかっていないというのが実情ではないでしょうか。

 

高齢者や障がい者施設での虐待や残虐な事件がニュースでよく取り上げられています。どう考えても加害者に問題があるケースでは本人の過去や法人の内情やを暴露して吊し上げているだけのことが多いですが、現場の苦しい実態に目を向け、タブー視されている部分に一歩踏み込んで、良い意味で問題提起がなされるようになってきていると感じることもあります。

 

志高く入職したにもかかわらず、現実の波に揉まれて初心を忘れてしまった人を何人も見てきました。傍観者のように語っている私も、その一人なのかもしれません。

 

一方、どんなことがあっても仕事に誇りを持ち、日々頑張っている人もたくさんいます。また、幾つもの心温まるエピソードが生まれているのも事実です。

 

今回は人格を疑われるかもしれない、思想的かつダークな話になってしまいました。嫌悪感や怒りを覚える方もいらっしゃるかもしれませんが、私が実際に経験し、感じたことなのです。

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