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【第6回】注文の多い利用者Dさんと仕事のできる介護職員のXさん ~その後の話~

time 2019/04/03

【第6回】注文の多い利用者Dさんと仕事のできる介護職員のXさん ~その後の話~

休憩中の話題はXさんに独占されました。普段の言動から、スタッフ皆がXさんの「人から注目されたい・評価されたい」ことに対する異常なまでの執着を感じとっていたようです。

 

単なる噂話に過ぎませんが、業界で顔の広いオバサンのリサーチによると、Xさんは他の市でも同様の事件を起こし、事業所を転々としていたそうです。お祖母さんが大好きだったというのは本当だで、どこの事業所でもテキパキと仕事を終わらせて定時で退勤し、献身的に介護をしていたようです。

 

しばらく経ってから、役所関係と思しき数名が頻繁に出入りし始め、大量の個人記録を持って事務所と応接室の行き来を繰り返し、施設長と課長たちも慌ただしく対応していました。

 

仕事中に代わる代わるランダムにスタッフが呼び出され、特に手を焼いている入居者はいないか・仕事で困っていることはないか等を聞かれました。

 

その後は終業後に何度か研修に参加させられ、高齢者虐待等について講義を受けました。概ね常識的な道徳の範囲内で分かるような話でした。

 

今考えれば、自主的に施設内での虐待として行政に報告し、監査か何かを受けていたのでしょう。隠蔽が横行する中、事態がより重大化することを思えば賢明な選択だったのかもしれません。

 

間もなくDさんは他の施設に転居しました。息子さんは「これ以上皆さんに迷惑をかけられないので、引越することにします。本当に有難うございました」と丁寧に挨拶して下さいましたが、それは表面的な話だったような気がします。

 

DさんもXさんもいなくなり、平和な毎日を取り戻しました。一件落着ですが、それがハッピーエンドなのかと問われると、返答に躊躇してしまいます。

 

虐待の理解・スタッフ間の連携・適切なアセスメント等、それらが非常に重要かつ不可欠であることは否定の余地がありませんし、決して虐待を容認する立場でもありません。

 

しかし、Dさんを一例に、それだけでは完全に解決できない問題が現実に存在したのです。加えて、人手不足が深刻化し、経歴等を十分に調査できない或いは多少の問題があっても採用せざるを得ない・素行に問題があっても、辞められたら困るので強く注意できない等の問題があったことも事実だったのです。

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