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【第1回】注文の多い利用者Dさんと仕事のできる介護職員のXさん ~利用者Dさん~

time 2019/03/30

【第1回】注文の多い利用者Dさんと仕事のできる介護職員のXさん ~利用者Dさん~

私が特養(特別養護老人ホーム)で介護職員として勤務していた時の話です。

 

担当フロアにDさんという女性がいました。とにかく頻繁にコールを鳴らし、訪室すると「起こしてほしい」「むこうに(食堂)に行く」「布団を直して」「枕がずれてる」「今何時?」「息子を呼んでほしい」等と話します。

 

対応しても間もなくコールがあり、同じような申し出が続きます。食堂に行きたいと言われて連れて行ったとしてもすぐに居室に戻り、ベッドサイドからコール。「ベッドに寝かせて」

 

食事や行事の最中であってもお構いなしで、車椅子を漕いで部屋に戻ります。コールが鳴って行くと「横になりたい」、間もなくすると「起こしてほしい」「ご飯食べてない」「トイレに行きたい」「背中が痒い」等、一体どれだけのバリエーションがあるのかと思うほど様々な切り口でスタッフを呼ぶのです。

 

小さい体で懸命に車椅子を漕いで廊下をウロウロしている姿は非常に可愛らしく見えます。しかし、入居者・スタッフを問わず、人の姿を見つけると声をかけ、あれやこれやとお願いごとをします。

 

来客でも事情が分かっているご家族等であれば「ああ、いつものお婆さん。大変そうですね」ぐらいでスルーしてもらえるのですが、知らない方の場合、「すいません、あの人が部屋に戻りたがっているんですけど」といった感じでその都度手を止められます。

 

仮に何も言われなかったとしても、何となくDさんを無視しながら仕事しているのは見た目に良いものではなく、特に来客時は非常に気を遣います。

 

念願の息子さんが面会に来ても状況は全く変わらず、息子さんに対して息子を呼んでほしいという始末で、居室の行き来・寝たり起きたり・コールを繰り返していました。

 

現実問題、Dさんの言う通りに対応していると、スタッフが何人いても、体がいくつあっても到底対応できない状況にありました。

 

事例検討や研修会があると決まってDさんが話題に上がり、一体どうしたらよいのかという話になります。結局は「なぜそのような行動をとるのか、しっかりとアセスメントしましょう」「本人が納得するまでとことん寄り添ってみましょう」といった漠然とした或いは実現が難しい話ばかりで、たとえ実行しても一向に効果が現れませんでした。

 

皆それを承知で相談している節もあったのでしょうが、とにかく大変な状況を分かってほしいという切実な想いがあったのでしょう。Dさんに至っては、偉い先生のアドバイスも全く歯が立たなかったのです。

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