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【第2回】糖尿病のSさんと、好きなものを食べてほしい家族 ~血糖コントロールがうまくいっていない~

奥様に話をしなければならないなと思いつつ、少し様子を見ることにしました。これが日常的に続くようであればきちんとお話する場を設けようと思いました。

 

しかしそれからほんの数日後、今度は看護師から報告がありました。昼食前に血糖測定のためSさんの部屋へ行ったところ、奥様がチョコレートをあげているところだったというのです。看護師が声をかけると、奥様は少し気まずそうな表情で、「少しならこれ、あげても大丈夫ですよね?」と聞いてきたそうです。看護師は、「カロリー計算をした食事を提供している方に施設側の把握しないチョコレートを与えることは、看護師の立場から『大丈夫』とは言えない」と答えたそうですが、その後も奥様はこそこそあげていたように見えたということでした。

 

看護師にSさんの血糖コントロールの状況や最近の検査数値を確認したところ、ショートステイ利用前よりずっと継続して1日3回のインシュリン注射が欠かせない状態であるということでした。主治医からは血糖コントロールが上手くいけばインシュリン注射を中止して服薬に切り替えていきたいという話があるが、血糖値は安定せず状態も改善していないため、インシュリン注射を打たずに済む目途は今のところ全く立っていないということでした。このことからも、奥様が今まで日常的に糖分を含む間食をさせていた可能性が高いと思えました。

 

やはり、早急に話をしなければならないと感じました。糖尿病患者に日常的に菓子類を与えるということがどのようなリスクを孕む行為か、奥様がきちんと理解しているとは思えませんでした。しかし、ご本人の食べたいものや好きなものを食べさせてあげたいと思う家族の気持ちは理解できます。そのため、話し方が難しいなと感じました。ご家族の思いを無下にすることなくご理解していただけると良いのですが、それは容易なことではありません。

 

Sさんのキーパーソンは、長女様でした。頻繁に面会に来ているのは奥様でしたが、高齢ということもありショートステイ利用の手続き等は全て長女様が中心となり行っておりました。そのため、今回のことも奥様へ直接話すのではなく、まず長女様へお話をすることにしました。奥様に同席していただくかは迷いましたが、他職種とも話し合い長女様とまず話をすることになりました。

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