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【社会福祉士】チャールズ・ブース 私財を費やしたロンドン調査

■人名、出身国、生没年

チャールズ・ブース(Charles Booth)  イギリス 1840-1916

 

■実績

イギリス ロンドンでの市民の生活状況を1886から1902年の17年間にわたり調査し、全17巻にわたる「ロンドン市民の生活と労働」にまとめあげた。

 

ブースが調査した時期は、イギリスが近代的な資本主義により繁栄を遂げた時期であり、同時に労働者と資本家との格差が拡大してきた時期でもあった。ブースは私財を投じて、貧困、産業、宗教の3つの調査を行なったが、これにより、イギリスは年金制度や工場法の改正などの社会改良政策に踏み出すことになるのである。

 

■人柄

 リヴァプールの起業家の息子として生まれたチャールズブースは、22歳のときに父の死去により蒸気船会社の社長を引き継いだ。ブースは、優れた指導者であり、かつビジネスマンとして長けており、この会社をグローバルな規模に発展させていった。

 

■エピソード

事業家として成功したブースは、資本主義の中では社会の生産性が上がることが結果として市民の生活水準の向上につながっているはずだという考え方に基づき、当時社会民主連盟が発表したロンドン市民の25%が貧困層であるという調査結果があまりにも多いのではないかと疑問を持ち、市民の生活状況を実際に確かめようと私財を投じて調査を行った。

 

彼が投じた私費は、3万5千ポンドという巨額のものであり、約20名の調査スタッフのもと、ロンドン市民の生活の現状を詳細な見取り図として提示していった。当初は、ロンドンのイーストエンドに限定した調査であったが、その後調査対象をロンドン全体に拡大させることになって行くが、調査を行なっている間もブースは本業のビジネスを継続していた。平日は事業運営に時間を費やし、年に1ヶ月ほどは海外での仕事をしつつも、このような調査を行うことができたのは、彼の指導者としての能力とビジネスセンスはもちろんなこと、有能な調査スタッフの力が大きかったのはいうまでもない。

 

■その他

産業民主制やナショナルミニマムで有名なウェッブ夫妻のウェッブ婦人(ビアトリス・ウェッブ)の義理の兄であり、ロンドン調査には彼女も参加している。

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