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【第6回】温かい雰囲気の中で死を迎えることを選んだYさん ~Yさんの笑顔~

time 2017/05/23

【第6回】温かい雰囲気の中で死を迎えることを選んだYさん ~Yさんの笑顔~

施設を「温かい」と感じるかどうかは、個人差があります。Yさんはうちの施設がオープンした10年前からケアハウスに入居しており、こちらもとても思い入れがあります。本人が10年に亘る施設生活を温かいものだと感じ、最期の場所にここへ戻ってくることを望んでくれたということはこの上なくありがたいことでした。

 息子さんとの話を終え、私たちは急ピッチで入所の準備を進めました。そして数日後にYさんは特養へ入所されました。

 

 入所の日、私はYさんと久しぶりに再会しました。通常入所にあたっては事前に本人と会う面接をするのですが、Yさんの場合はI相談員が入院中もお見舞いに訪れ状態を把握していたため、面接を省きました。そのため、こうなってから初めてお会いするのは入所日になったのです。

 「お久しぶりです。」と声をかけると、Yさんは何も言わずにっこり微笑みました。とても痩せてしまい、手も足も私の知っているYさんより随分細くなってしまっています。しかし笑顔は変わらない昔のままのYさんでした。

 

 入所して3日目のことです。「なんだか、こちらに来てから母の表情が良いんです。病院にいたときは認知症が進行してしまったように見えて、言葉数も少なくなってしまっていたんですけど。施設に戻ってきてから、声をかける度にきちんと言葉で返してくれるようになったんです。病院にいたときはあまり笑わなかったのに、笑顔も戻ってきました。」やや興奮気味にそう教えてくれたのは、息子さんの奥様でした。

 「栄養は入っていないのに、顔色もいいみたい。」奥様はとても嬉しそうでした。そして実際に、介護職員からもそのような情報は入ってきていました。事前情報では言葉数が少なく認知症状が進行していると思われると聞いていたが、「おはようございます。」と声をかけると「おはようございます。」とちゃんと返してくれるし、その表情からもこちらの言っていることや気持ちをきちんと理解しているように受け取れる、というのです。

 

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