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【第6回】特養へ入所後、ADLが向上したYさん ~眠るように~

time 2018/07/11

【第6回】特養へ入所後、ADLが向上したYさん ~眠るように~

それから約1年、YさんはそのままのADLを維持し続けました。相変わらずトイレで排泄することができ、食事もきちんと摂取することができていました。しかし、あるとき風邪を引いたことから肺炎になってしまい、ベッドで寝ている時間が増えてしまいました。美味しそうに食べていた食事も徐々に召し上がらなくなってしまい、ほどなくしてYさんは眠るように亡くなりました。

 

娘さんはYさんの容態が悪くなっていっても、入院させようとはしませんでした。「ここにいるのが母も幸せだって、私にはわかるんです。」

 

Yさんも病院へ行きたいとは一度も言いませんでした。食事がとれなくなっても点滴などを希望されなかったため、最期のYさんのお身体は浮腫みなどが全くなく、とても綺麗なお姿でした。

 

Yさんが亡くなって半月ほど経った頃、久しぶりに娘さんが施設を訪れました。「実は今、施設の契約解除の手続きをしてきたところで。母のことでは本当に何から何までお世話になりました。病院を出てこちらへ来て本当に良かったと心から思っています。もう昔の母の笑顔は見られないのかと思ったのに、ここへ来て母は昔のように笑うようになりました。皆さんのおかげです。」

 

そう言って、娘さんは少し涙ぐみました。私もそのお言葉を聞いて涙が出ました。

 

娘さんが部屋の荷物をまとめると言うので、私も手伝いました。Yさんの部屋には私たち職員が作った一冊のアルバムがあり、そこには施設に来てからのYさんの写真が何枚も収められていました。

 

「これは、私が持って帰って家族で懐かしみながら見ようと思います。」娘さんはそう言ってアルバムをカバンに入れました。

 

「本当にありがとうございました。」何度も頭を下げながら娘さんは施設を後にしました。その笑顔はYさんにそっくりでした。

 

私は娘さんの後ろ姿を見送りながら、こちらこそYさんにはいろいろなことを教えていただいたと思い返していました。

 

私はYさんに出会うまで、介護を受ける人たちは衰えていくだけだと思っていました。昨日できたことが今日できなくなってしまうということは何度も目にしていましたが、その逆があるとは思っていませんでした。

 

Yさんは、入所してからできるようになったことがとても沢山ありました。入院中には寝たきりで食事もままならなかったにもかかわらず、施設へ来てからとても人間らしい生活を送るようになったのです。それを証明するかのように、介護度も軽くなりました。

 

【第7回】特養へ入所後、ADLが向上したYさん ~意欲という原動力~

【第5回】特養へ入所後、ADLが向上したYさん ~要介護度の回復~

 

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