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【第4回】特養へ入所後、ADLが向上したYさん ~トイレに行きたい~

time 2018/07/09

【第4回】特養へ入所後、ADLが向上したYさん ~トイレに行きたい~

 

それからさらに数か月が経ち、Yさんは相変わらず毎日きちんと食事をとり、褥瘡はすっかり完治していました。施設の環境にも大分慣れてきたようで、Yさんから話しかけてくれることも増えました。「おい。」と職員を呼び止め、「食事はまだ?腹減っちゃった。」と言うこともありました。入院中のYさんからしたら考えられないことだと娘さんは喜んでいました。

 

ある日の昼食後、Yさんは私にこう言いました。「なぁ、トイレに行きたい。」

 

私はびっくりして、「えっ?トイレですか?」と聞き返してしまいました。というのも、このときYさんは入所時から変わらずオムツに尿道カテーテルを留置しており、尿意を感じないはずの状態でした。私はYさんに近づき、耳元で「大きい方ですか?」と聞きました。するとYさんは、「そうなんだよ。」と頷きました。

 

入所してからYさんが便意を訴えたり、ましてや何か月も行っていないトイレに行きたいなどと言ったことはありませんでした。2~3日に1回、下剤を飲んでオムツに排便するというサイクルでした。

 

私はすぐユニットリーダーに連絡をとり、トイレに座らせてあげたいと伝えました。何か月もトイレに座っていない上に足が全く立たないので、職員2人体制で介助し、トイレに座ってからも本人の視界に入らない位置で見守ることにしました。

 

10分ほど経って、Yさんが「ふぅ。」とため息をつきました。「終わりましたか?」と声をかけると、Yさんは「うん、出た。」とにっこり笑いました。トイレを確認すると、少量ではありましたが排便がありました。私はオムツになってしまうと便意や尿意というものが薄れていくものだと思っていましたが、何か月もオムツをしていた人でもこうやってトイレで排便することができるのだと驚き、同時にとても嬉しい気持ちになりました。

 

その後、私たちはユニット職員間で話し合い、Yさんの訴えがあるときにはオムツではなくトイレで排便できるよう支援することにしました。職員2人での介助や、トイレに座っている間ずっと見守っていなければならない点などは、慢性的に人手不足の施設職員にとって簡単なことではありませんでした。しかし、便意を訴えることができ、さらにトイレに座ればきちんと排泄することができる人にオムツで排泄をさせることが心苦しく、私はYさんのトイレ介助を頑なに主張しました。

 

【第5回】特養へ入所後、ADLが向上したYさん ~要介護度の回復~

【第3回】特養へ入所後、ADLが向上したYさん ~施設では食事をとれていた理由~

 

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