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【社会福祉士】ジャン・ピアジェ アインシュタインに称えられた天才

■人名、出身国、生没年

ジャン・ピアジェ スイス 1986ー1980年

 

■実績

スイスの発達心理学者であるジャン・ピアジェは、子供の認知機能の発達を科学的なアプローチで明らかにした発達理論を提唱し、さらに質問と診断による臨床的な研究方法を確立した。ピアジェが提唱した発生的認識論では、人の思考発達を大きく幼児期から青年期までの4つの時期(感覚運動段階、前操作段階、具体的操作段階、形式的操作段階)に分けられて展開していくとしたが、その科学的なアプローチは心理学や幼児教育を中心とした教育への応用のみならず、哲学や生物学、数学など様々な分野に多大な影響を及ぼしている。

 

■人柄

ピアジェは、少年時代から自然科学に強い興味を持つ少年であり、10歳の時に書いた白すずめの発見に関する論文が地方の科学雑誌に掲載された。その後も生物学の研究に従事し、15歳には軟体動物の専門家として認められるようになっていた。

 

■エピソード

21歳の時に動物学で博士号を取得したピアジェは、生物学と認識論とをつなげる学問こそが心理学であると気づき、改めてチューリッヒ大学に入学し、実験心理学、精神医学、記号論理学、現代数学を学んだ。その後、パリのソルボンヌ大学に入学したピアジェは、子供の知能に関する研究を始め、知能テストの問題をめぐって子供と会話をしながら判定していく臨床法を編み出すことになるのである。

その後もピアジェは、0歳から7歳までの幼児の知能発達を臨床実験を何度も行うことで科学的に明らかにし、人間の論理的思考が育っていく様子を発達理論として提唱していくことになるのである。1999年に発行されたTIMEでは、アインシュタインなどとともに20世紀に影響を与えた偉人としてピアジェの功績が称えられることになるのであるが、アインシュタインが、ピアジェのことを「難しい理論を最も単純に示す天才」と称したように、ピアジェの理論は幅広く知られているのである。

 

■発達段階説

ピアジェは、知能の発達に関して包括的な理論体系を提示しており、知能の発達の段階として、4つの段階があることを実証している。

 

  • 感覚運動的知能期(0~2歳頃)

動く、見る、触る当の能力や感情が発達してきて、それらを使って周囲の人と交渉するようになる。8か月目くらいには、単純な「手段―目的関係」が理解できるようになる。9か月目くらいには、目の前から人や物が消えてしまっても、相変わらずこの世には存在するという対象の永続性ができる。

 

  • 前操作期(2~7歳頃)

ここでの「操作」とは、イメージや概念、記号等の表象を動かして思考したり推測したりする心理的な機能であり、この段階では、このような操作が不十分な知能の発達段階である。自分の立場や固定した一つの視点から分析・認識する自己中心的思考が見られるのもこの段階である。

 

  • 具体的操作期(7~11歳頃)

前操作期と比較して、具体的な物を操作して思考が可能となる段階である。しかし、抽象的、形式的に考えることはまだ難しい。

 

  • 形式的操作期(11歳以降)

具体的操作期と比較して、具体物がなくても抽象的に考えることができるようになる段階である。

 

 

 

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